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XR250・BAJAのフロントフォーク オーバーホールまとめ|手順・費用・年式の違い

2026-10-12

みなさん、こんにちは。

XR250 BAJA(MD30)のフロントフォークを、インナーチューブのサビをきっかけに、取り外し・分解・再メッキ・スプリングの処理・組み立てまで自分で整備しました。記事が20本近くに分かれてしまったので、作業の順番・かかった費用・年式による違いをこの記事にまとめます。

なお、私は整備士ではありません。ここに書いた数値や手順は私の車両での実例です。作業するときは、ご自分の車両の型式に合ったサービスマニュアルで確認してください。

油面調整とスプリング挿入が完了し、フォークキャップを締め付けて組み立てが完了したXR250 BAJAのフロントフォーク。

結論:XRのフロントフォークで気をつけたいこと

  • 中古のフォークは、まず中身を確認する。私が入手した MD30 のフォークは、中身がレーサーの XR250R(ME08)用でした。シリンダーの長さや部品が違うので、MD30 のマニュアルの油量・油面がそのまま使えない可能性があります
  • スプリングは車種・年式で違う。XR250 と BAJA でも、スプリングA・B の長さの組み合わせが違いました。サービスマニュアルも、基本版と追補版で数値が違います
  • BAJA に ME08 のスプリングを入れるのは、私はおすすめしません(車重が違うため。あくまで私の感想です)
  • アクスルシャフトのネジ径も年式で違う(14mm と 12mm)。中古のフォークを付けるときは要確認です
  • 分解・組み立てには特殊工具(27mm 六角のダンパーホルダー)が必要です

作業の流れと記事の一覧

実際に作業した順番に並べました。上から読むと、オーバーホール全体の流れが分かります。

順番作業記事
1車体からフォークを外すXR 250 BAJAのフロントフォークを外す
2フォークを分解するXR250 BAJAのフロントフォーク分解手順|必要な工具とセンターボルトの外し方
3インナーチューブを再メッキに出すフロントフォーク再メッキの費用と納期は?東洋硬化での仕上がりを徹底レビュー
4スプリングを点検し、WPC処理に出すフロントフォークスプリングにWPC処理加工(準備編)
FフォークスプリングがWPC処理から返ってきた
5フォークオイルの粘度を合わせるフォークオイルの粘度を混ぜて調整|A.S.H.の#11と#30でホンダ純正に合わせる
フォークオイル粘度表|メーカー別の番手と40℃動粘度を一覧で比較
6組み立て(シール・シリンダー)XR 250 BAJA フロントフォーク組み立て(その1)
XR 250 BAJA フロントフォーク組み立て(その2)
7オイルを入れてエア抜きXR 250 BAJA フロントフォーク組み立て(その3)
8油面調整・スプリングを入れて完成XR250 BAJAのフロントフォーク組み立て(その4)

1. フォークを外す・分解する

フロントタイヤを外してもバイクが倒れないよう、フレームスタンドとリフトスタンドを使い、ベルトで車体を吊って作業しました。外す前にフォークの突き出し量を測っておくと、組み付けのときに元に戻せます。

分解でいちばん大変なのは、ボトムのセンターボルトを緩める作業です。そのまま回すと中のシリンダーが一緒に回ってしまうので、上から特殊工具でシリンダーを押さえ、下から 14mm の六角ソケットでセンターボルトを緩めます。

フロントフォーク上部から特殊工具(ダンパーホルダー)を挿入し、ボトム側のボルトをインパクトレンチで緩める作業
  • 特殊工具:先端が 27mm の六角で、中が空洞のもの。私は MotionPro のダンパーツール(YM08-0223)を使いました。UNIT のフォークカートリッジホルダー(D7008)も使えます
  • そのほかの工具:22mm ソケット、17mm スパナ、14mm 六角ソケット、細いマイナスドライバー、インパクトレンチ、ウエス
  • トップキャップは、フォークが車体に付いている状態で少し緩めておくと楽です

詳しい手順は「XR 250 BAJAのフロントフォークを外す」と「XR250 BAJAのフロントフォーク分解手順|必要な工具とセンターボルトの外し方」をご覧ください。

バラバラに分解されたホンダ XR250 Bajaフロントフォークの内部構成パーツ一覧

2. 中古フォークの中身がレーサー用だった話

私の BAJA には、前のオーナーが ME08(XR250R)のフォークを付けていました。分解して MD30 の部品と比べると、次の違いがありました。

  • ボトムに「COMPRESSION ADJUSTABLE」と書かれた圧側の調整機構がある
  • シリンダーが ME08 はアルミ製で、MD30(スチール製)より約 5mm 長い
  • ピストンロッドの先端に、MD30 には無い部品が付いている(伸び側の減衰の機構だと推測しています)
  • スプリングが ME08 は 1本、MD30 は 2本(A と B)に分かれている

中古のフォークや中古車を買ったときは、純正のままかどうかを一度確認しておくと安心です。詳しくは3部作「第1部」「第2部」「第3部」をご覧ください。

3. スプリングの年式による違い

手元にあった3種類のスプリングの長さ(自由長)を実際に測った結果です。

車種(型式)スプリングA(短)スプリングB(長)合計
XR BAJA(MD30)45.0mm391.0mm436.0mm
XR250(MD30)75.0mm366.5mm441.5mm
XR250R(ME08)なしなし(1本)445.5mm

サービスマニュアルの基本版と BAJA の追補版(T型)では、スプリングの標準値が違いました。ご自分の車両の型式のページで確認することが大切です。年式ごとの違いは「【実測比較】XR250・BAJA・XR250Rのフロントフォークスプリングに潜む「年式の罠」とは?」と「XRシリーズのフロントフォークスプリングの考察」にまとめています。

また、BAJA に ME08 のスプリングを入れていたときの感想は「【実録】XR250/BajaにME08スプリングを推奨しない理由|フロントフォーク検証」に書きました。最終的に私は BAJA 用のスプリングに戻しています。

4. インナーチューブの再メッキ(費用と納期)

XR のインナーチューブは上部のくびれ部分がサビやすく、私のものも点サビと傷がありました。純正の新品は手に入りにくいので、福岡県の東洋硬化さんに再メッキをお願いしました。

項目費用(2022年11月時点)
インナーチューブ再メッキ26,000円 × 2本
くびれ部分の再生5,000円 × 2か所
合計62,000円(返送料込み・往路の送料は自己負担)

料金表は公開されていないので、費用は問い合わせが必要です。あくまで参考にしてください。

フロントフォーク再メッキのビフォーアフター比較。点サビだらけのチューブが東洋硬化の技術で美しく再生。

再メッキの後は、こまめな清掃でサビを防ぐのが結果的に安く済むと思います。拭く方向など、日頃の手入れは「フロントフォークのインナーチューブの手入れ|拭く方向と点サビの見つけ方」で紹介しています。

5. スプリングの点検と WPC 処理

保管していたスプリングを測ると、短いスプリングA が 44.31mm・44.40mm で、使用限度(45.1mm)を下回っていました。純正品は廃盤で、ワンオフで作るのは費用が高いため、WPC 処理(JAMS さん)をお願いしました。WPC 処理には、破断やへたりを防ぐ効果があるとのことです。

返ってきたスプリングは、装着前にパーツクリーナーで洗浄するよう注意書きがありました。実際に洗うと、ウエスに汚れが付きました。

6. フォークオイルの粘度を合わせる

BAJA の指定オイル(HONDA ULTRA CO)は 40℃動粘度が 16.2 です。使いたかった A.S.H. の #20 が手に入らなかったので、#11(11.6)と #30(28)を 7.2:2.8 で混ぜて、ほぼ同じ粘度にしました。1本 461cc なので、#11 が 332cc、#30 が 129cc です。

フォークオイルは同じ「#10」でもメーカーによって硬さが違います。メーカー別の粘度は「フォークオイル粘度表|メーカー別の番手と40℃動粘度を一覧で比較」に一覧表があります。

7. 組み立て・エア抜き・油面調整

  • インナーチューブの上端はビニールテープで養生し、シールのリップを切らないようにする
  • シールのリップにはラバーグリスを塗る
  • フォークシールは、全周が同じ深さまで入ったことを確認する(シールプッシャーの、チューブに触れる面の砂は拭き取る)
  • センターボルトはネジロック剤を塗り、特殊工具でシリンダーを押さえて締める
  • オイルは少しずつ入れ、ピストンロッドを動かしてエアを抜く
  • 油面は、私の車両(XR BAJA(Y))のサービスマニュアルの値 107mm に合わせた
ホンダXR250 BAJA(MD30)のサービスマニュアル規定値107mmの位置に目印を付けた油面調整用の金属パイプ。

スプリングA と B の間の純正ワッシャー(1.56mm)は、厚さ 4.00mm のスラストベアリングに替えました。その分、プリロードが約 2.5mm 増えます。スラストベアリングのサイズは「XR250 BAJAのフロントフォークに入れたスラストベアリング」も参考にしてください。

詳しい手順は「組み立て(その1)」「その2」「その3」「その4」をご覧ください。

年式の違いでもう一つ:アクスルシャフト

オーバーホールの間に中古のフォークを付けようとしたところ、アクスルシャフトが入りませんでした。年式によってネジ径が 14mm と 12mm に分かれているためです。シャフトの長さも約 2.5mm 違いました。詳しくは「HONDA XR フロントアクスルシャフトの年式による違い」をご覧ください。

まとめ

XR250・BAJA は生産終了から時間がたち、純正部品が手に入らないものも増えています。そのぶん、中古部品を使うときは年式・型式の違いに気をつける必要があると感じました。

フロントフォークの整備を考えている方の参考になればうれしいです。

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