みなさん、こんにちは。
「フロントフォークオイルを交換したいけど、どの番手を選べばいいの?」「メーカーが違うと、同じ#10でも硬さが違うって本当?」自分でバイクを整備するとき、意外と悩むのがフォークオイルの粘度選びです。
フォークオイルの「#10」や「#15」といった番手は、メーカーごとの目安です。メーカーが違えば、同じ番手でも実際の硬さ(動粘度)は違います。
この記事では、主要メーカーのフォークオイルの40℃動粘度を一覧表にまとめ、選び方と、私がXR BAJAに使ったオイルを紹介します。
結論:番手ではなく「40℃動粘度」で比べる
- 同じ「#10」でも、メーカーによって40℃動粘度は32.7〜48.1 mm²/sと差がある(下の表より)
- 他メーカーのオイルに替えるときは、40℃動粘度が近いものを選ぶ
- 迷ったら、まずはサービスマニュアルで指定された純正オイルと同じ硬さにする
参考までに、私が XR BAJA のフロントフォーク(2組あるうちの1組)に入れたのは、純正に近い硬さのヤマハ サスペンションオイル G5 です(詳しくは下の「XR BAJAに使ったフォークオイル」で)。
フォークオイルの粘度とは?基礎知識
粘度が走りに与える影響(硬い・柔らかいの違い)
フォークオイルの粘度は、フロントフォークが「沈み込む」速さと「戻る」速さに影響します。
粘度が高い(硬い)場合
フォークの動きがゆっくりになり、ブレーキング時のノーズダイブ(前の沈み込み)が抑えられます。高速走行やスポーツ走行では安定感が増しますが、路面の凹凸でゴツゴツとした振動を感じやすくなります。
粘度が低い(柔らかい)場合
フォークがスムーズに動き、路面のギャップをよく吸収します。街乗りやツーリングでの乗り心地は良くなりますが、強いブレーキングでは踏ん張りが効きにくくなることがあります。
「番手(#10など)」と「40℃動粘度」の違い
フォークオイルの「#10」といった番手は、メーカーごとの目安です。オイルの硬さを比べるときは、「40℃動粘度(mm²/s)」という数値を見ます。
たとえば、同じ「10」が付くオイルでも、40℃動粘度はこれだけ違います。
| オイル | 40℃動粘度(mm²/s) |
|---|---|
| ヤマハ サスペンションオイルG10 | 33.2 |
| カワサキ フォークオイルG10 | 32.7 |
| カヤバ G10S | 41.2 |
| ワコーズ FK-10 | 33.6 |
| WP フォークオイル#10 | 48.1 |
このように数値が違うので、他メーカーのオイルに替えるときは、番手だけでなく動粘度を確かめるのが失敗しないコツです。
主要メーカー別 フォークオイル粘度表(40℃動粘度)
WAKO’Sさんの総合カタログに「フォークオイル粘度対応表」が載っていたので、40℃動粘度をメーカーごとに書き出しました。単位はすべてmm²/sです。
ホンダ(HONDA)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| クッションオイルスペシャルII 5W | 16.1 |
| クッションオイル 5W | 16.2 |
| クッションオイルスペシャルIII 10W | 36.1 |
| クッションオイル 10W | 34.7 |
| クッションオイルスペシャルIV 5W | 13.8 |
ヤマハ(YAMAHA)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| サスペンションオイルM1 | 18.5 |
| サスペンションオイルS1 | 15.8 |
| サスペンションオイルG5 | 17.5 |
| サスペンションオイルG10 | 33.2 |
| サスペンションオイルG15 | 47.4 |
スズキ(SUZUKI)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| フォークオイルL01 | 15.3 |
| フォークオイル10G | 33.3 |
| フォークオイル15G | 46.8 |
| SS-05 | 15.5 |
| SS-7 | 16.3 |
| SS-8 | 35.2 |
| SS-19 | 15.1 |
| SS-47 | 36.2 |
カワサキ(KAWASAKI)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| フォークオイルKHL15-10 | 14.9 |
| フォークオイルKHL15-11 | 16.1 |
| フォークオイルG5 | 17.1 |
| フォークオイルG10 | 32.7 |
| フォークオイルG15 | 47.2 |
| フォークオイル2F | 22.7 |
| SS-7 | 16.3 |
| SS-8 | 35.2 |
| SS-19 | 15.1 |
| SS-47 | 36.2 |
カヤバ(KYB)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| フォークオイルKHL15-10 | 14.9 |
| フォークオイルKHL15-11 | 16.1 |
| G10S | 41.2 |
ショーワ(SHOWA)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| SS-05 | 15.5 |
| SS-7 | 16.3 |
| SS-8 | 35.2 |
| SS-15 | 19.6 |
| SS-19 | 15.1 |
| SS-47 | 36.2 |
| SR-6 #5 | 15.7 |
| SR-6 #10 | 37.8 |
オーリンズ(OHLINS)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| Front Fork Fluid No.2.5 | 14.9 |
| Front Fork Fluid No.5 | 21.8 |
| Front Fork Fluid No.10 | 38.4 |
| high performance R&T43 | 18.2 |
WP
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| FRONT FORK 5 | 23.5 |
| フォークオイル#7.5 | 33.4 |
| フォークオイル#10 | 48.1 |
ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| Hydraulic Fork Oil Type”B” | 32.1 |
| Hydraulic Fork Oil Type”E” | 39.1 |
ワコーズ(WAKO’S)
| オイル名 | 40℃動粘度 |
|---|---|
| FK-01(T500) | 15.4 |
| FK-10(T530) | 33.6 |
| FK-20(T520) | 53.4 |
出典:WAKO’S 総合カタログ「フォークオイル粘度対応表」(PDF)。数値はカタログ掲載時のものです。最新の値は各メーカーの資料で確認してください。
元の表です。WAKO’Sのフォークオイル(FK-01・FK-10・FK-20)を混ぜて、各メーカーの粘度に合わせるときの比率も載っています。

余談ですが、これを見て「WAKO’Sさんのフォークオイルを使ってみよー、おっ、1本3,000〜4,000円ぐらいか、高いけど使ってみるかな」と思ったら、1本の量が500mlでした。。。。つまり1Lで6,000〜8,000円。。。。気軽に手が出せる価格ではありません。。。。
XR BAJAに使ったフォークオイル
XR250のサービスマニュアルでは、「ホンダ ウルトラクッションオイル5号」を使うことになっています。
私の手元には、XR BAJAのフロントフォークが2本あります。インナーチューブを再メッキに出している間に使う、予備のフォークを手に入れたためです。
そこで、動粘度と価格を調べたうえで、手元にある2組のフロントフォーク(MD30 用と ME08 用)の、1組には「ヤマハ サスペンションオイルG5」、もう1組にはA.S.H.のフォークオイル#11と#30を混ぜたものを入れました。
上の表では、ホンダのクッションオイル5Wが16.2、ヤマハのG5が17.5なので、G5は純正に近い硬さです。
2組のフォークで走り比べてみましたが、違いは分かりませんでした。今は、A.S.H.を混ぜて入れたフォークを使っています。
あとで計算し直すと、私が混ぜたA.S.H.は約14.5で、G5(17.5)とは3ほど差があったことになります(下の「粘度を混ぜて合わせる方法もある」で説明します)。それでも、私には違いが分かりませんでした。
粘度を混ぜて合わせる方法もある
ちょうどよい粘度のオイルが手に入らないときは、2種類のオイルを混ぜて合わせる方法もあります。もう1組のフォークに入れたA.S.H.は、#11と#30を7.2:2.8で混ぜました。単純な割合の計算では、ホンダの指定粘度(16.2)になります。
ただし、油の粘度は単純な割合では混ざらず、柔らかい方に寄ります。ASTM D7152 にある Refutas(レフタス)の式で計算し直すと、7.2:2.8 は約14.5でした。16.2 に合わせるなら、およそ6:4です。計算のしかたは、こちらの記事で紹介しています。
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失敗しないフロントフォークオイルの選び方
走り方に合わせて、粘度を選びます。
街乗りメインなら「純正と同じ硬さ」
まずはメーカー指定の純正オイルと同じ硬さを選びましょう。メーカーがテストして決めた硬さなので、いちばん無難です。
スポーツ走行・峠なら「少し硬め」
「ブレーキでフロントが沈み込みすぎる」と感じるなら、一段階高い粘度(#10なら#15)にするか、混ぜて少しずつ調整する方法があります。
年数の経ったバイクで「動きが軽すぎる」と感じるなら
指定よりわずかに粘度を上げる方法もあります。ただし、オイル漏れや部品の摩耗が原因のこともあるので、まずはフォークの点検をおすすめします。
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フォークオイル交換に使う道具
オイルと一緒に、次の道具もそろえておくと作業がスムーズです。
- オイルジョッキ:オイルをこぼさず、量を正確に量るため。ふた付きならほこりも入りません
- 油面調整ツール(注射器型):フォークオイルは「量」よりも「油面(高さ)」で合わせるのが基本です
- フォークシール・ダストシール:オイル交換のついでに交換すると、漏れてからやり直す手間が省けます
- パーツクリーナー:フォーク内部の清掃や、こぼれたオイルの脱脂に使います
まとめ:番手ではなく動粘度で比べる
- 「番手(#)」の硬さはメーカーごとに違う。比べるときは「40℃動粘度」で
- 迷ったら、まずは純正と同じ硬さに
- スポーツ走行なら少し硬め、乗り心地を重視するなら柔らかめに。2種類を混ぜて合わせる方法もある
フォークオイルを交換して粘度を合わせると、フロントの動きが自分好みに近づきます。愛車に合った粘度を、表から探してみてください。
※筆者(自己整備歴18年・整備士資格なし)が、自分のXR BAJAの整備で調べた内容です。オイルの指定や油面は、車種のサービスマニュアルを優先してください。
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