みなさん、こんにちはBooです。
今日はXR250(BAJA)のMD30(市販車)とME08(競技専用車)の違いについてのお話です。
以前、フロントフォークのMD30とME08の違いについて掲載しましたが、今日はエンジン内部の特にクランクシャフトベアリングについて掲載します。
(クランクシャフトベアリングにこんな違いがあるよ、というだけの記事ですので毒にも薬にもならない記事です)
ちなみに、フロントフォークの違いについては以下のリンクです。
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中古XR250(MD30)のフロントフォークを開けたらME08(レーサー)用だった【分解編】
XR BAJA(MD30)に使うつもりで、中古のフロントフォークを買いました。フォークだけを単体で買ったものです。 オイル交換をしようと分解してみると、中身が XR250 / BAJA(MD30)のも ...

さて、上の写真はクランクシャフトベアリングの写真です。
左側はMD30、右側はME08になります。
大きさは一緒ですが、内輪と外輪の厚さの違い、それからベアリングのボール(転動体)の大きさと数の違いが確認できます。

それぞれのベアリングをもう少し拡大した写真を載せます。
これらから素人(私)でわかる違いを下の表にまとめました。
色々と違いがあるもんですね。
| MD30 | ME08 | |
| ホンダ純正部品番号 | 91001-KBR-003 | 91001-KCE-670 |
| ベアリングメーカー(刻印) | NTN(日本製) | NTN(日本製) |
| サイズ(内径×外径) | 28mm×72mm | 28mm×72mm |
| 外輪の厚さ(相対的) | 薄い | 厚い |
| 外輪の刻印 | TM-SC06829 | TM83/28/72CS16(CS16は手書きっぽい) |
| 内輪の厚さ(相対的) | 厚い | 薄い |
| 内輪の刻印 | TM | TM8(TMB?) |
| 転動体の直径(相対的) | 小さい | 大きい |
| 転動体の数 | 9つ | 7つ |
ME08のベアリングは手書きのような刻印もみられるので特注品なのでしょうか。
市販車と競技車両ではエンジンの使われ方も違うと思います。
私のイメージだと競技車両は、「常にエンジンを回転させっぱなしで、エンジン回転数の変化も激しい」というエンジンの使われ方をしていると思います。
そのため、クランクシャフトベアリングも異なるのだろうと思いました。
なぜ違うのか?玉の大きさ・数と、輪の厚みから考えてみた(推測)
玉軸受がどれだけの荷重に耐えられるか(基本動定格荷重)は、規格(JIS B 1518/ISO 281)の計算式で決まります。その式では、荷重能力はおおよそ「玉の数の2/3乗×玉の直径の1.8乗」に比例します。つまり、玉の数より玉の大きさのほうがずっと効きます。
MD30(9個)とME08(7個)で計算すると、次のようになります。
| ME08の玉の直径(MD30との比) | 荷重能力(MD30を1とした場合) |
| 1.1倍 | 1.00(同じ) |
| 1.2倍 | 1.17 |
| 1.3倍 | 1.36 |
写真で見るかぎりME08の玉は明らかに大きいので、玉が2個少なくても、ME08のほうが大きな荷重に耐えられる設計なのだと思います。
ここからは、メーカーの資料がなく、私の推測です。
- 大きい玉×7個(ME08):ジャンプの着地や、急な回転の上げ下げといった競技での使い方に合わせて、荷重と衝撃に強くしたのではないかと思います。
- 外輪が厚い(ME08):ベアリングはアルミのクランクケースに圧入されています。アルミは鉄より熱で大きく膨らむので、エンジンが熱くなるとはめ合いがゆるみます。外輪が厚いと変形しにくく、ケースの中で外輪が回ってしまう現象(クリープ)も起きにくくなります。それを狙ったのではないかと思います。
- 内輪が薄い(ME08):内輪は鉄のクランクシャフトに支えられているので、薄くしても問題が少なかったのだと思います。外径と内径が同じなので、大きな玉を入れる空間をここで作ったと考えられます。
- 高回転向きかどうか:大きい玉は遠心力の面では不利です。一方で、玉の通る円が内側に寄るので玉の速さは遅くなり、こちらは有利です。どちらが勝つかは寸法を測らないと分からないので、今回は判断を保留します。
ちなみに、エンジンに関してMD30とME08の異なる点では、クランクシャフト、バランサー、ピストン、ピストンピン、カムシャフト、カムスプロケット、カムチェーン、エンジン始動方法、(ギア比もかな?)が挙げられます。
シリンダーのプラトーホーニング(ボーリング)については、こちらの記事で紹介しています。
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プラトーホーニングとは?井上ボーリングに頼んだシリンダーの仕上がりと検査成績書
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