みなさん、こんにちは。
冬にバイクで走ると、止まっているときより寒く感じます。走ると体に風が当たり続けるからです。
私はバイク歴20年以上のリターンライダーですが、寒さの厳しい真冬は乗りません。乗るのは12月や3月ごろまでです。この記事では、走っているときの体感温度(wind chill)を計算で確かめ、重ね着の考え方、グリップヒーター(grip heater)の種類と配線の注意、電熱ウェアの選び方をまとめます。
ハンドルカバーやネックウォーマー、スクリーンなど、私が実際に使っている防寒の装備は、それぞれの記事で紹介しています。この記事の中でも、関係するところで案内します。
先に結論
- 気温5℃で時速60kmだと、体感温度は約−2℃(公的な式で計算した目安)
- 一度冷えると温まりにくい。冷やさないことが大事(3月・気温3℃で走った私の体験)
- まず体に当たる風を減らす(スクリーン・ハンドルカバー)
- 服は「汗を逃がす・暖かい空気をためる・風を止める」の3層で
- グリップヒーターは、キーに連動する電源から、ヒューズを入れて取る
- 電熱ウェアは、車体から電源を取るかモバイルバッテリーかで選ぶ
走ると何度に感じる?体感温度
体感温度(wind chill temperature)は、風があると気温より低くなります。ここでは、カナダ環境省とアメリカ国立気象局が2001年から使っている体感温度(ウインドチル)の式で計算しました。
バイクの速さを、そのまま風の速さとして計算しました。

グラフの線は、気温ごとに「速さを上げると体感温度がどう下がるか」を表しています。止まっているとき(時速0km)は、体感温度は気温と同じです。
この式が使えるのは、気温10℃以下で、風速が時速4.8kmを超えるときです。それより風が弱いときは、体感温度は気温と同じとされています。グラフの時速5km未満の点線は、式で計算していない区間で、止まっているときの気温とつないだだけです。
同じ計算を、表にすると次のとおりです。
| 気温 | 止まっているとき | 時速40km | 時速60km | 時速80km |
|---|---|---|---|---|
| 10℃ | 10℃ | 約6℃ | 約5℃ | 約4℃ |
| 5℃ | 5℃ | 約−1℃ | 約−2℃ | 約−3℃ |
| 3℃ | 3℃ | 約−3℃ | 約−5℃ | 約−6℃ |
| 0℃ | 0℃ | 約−7℃ | 約−9℃ | 約−10℃ |
たとえば気温5℃のときに時速60kmで走ると、計算では約−2℃です。
ただし、この式は、何も覆っていない顔に正面から風を受けて歩いているときの、肌の冷え方をもとにしています。ジャケットやヘルメットで覆われている体の感じ方と、同じではありません。それでも「走ると、気温の数字より寒い」と考えておくと、装備を選ぶときの目安になります。
ネットでは、もっと低い値が出る式(ミスナールの式として紹介されるもの)もよく使われていますが、資料によって説明が違い、出典をはっきり示せないので、この記事では公的な機関の式を使いました。
出典:カナダ環境省のウインドチルの説明(カナダ国立図書館・公文書館の保存ページ、英語)、アメリカ国立気象局の体感温度の表と式(英語)。式の前提の補足:Wind chill(Wikipedia 英語版)
私が一番寒かったのは気温3℃
私が走ったなかで寒かったのは、3月の気温3℃の日です。同じ式で計算すると、時速60kmでは約−5℃になります。
このときは体の芯まで冷えて、特に下半身が冷たくなりました。一度冷えると、なかなか温まりません。冷えてから温めるより、冷やさないことが大事だと感じました。
まず体に風を当てない
体感温度を下げているのは風なので、服を足す前に、体に当たる風を減らすのが先だと私は考えています。厚着をしすぎると動きにくくなり、汗をかくと、その汗で体が冷えます。
私が使っているものは、次の記事で紹介しています。
- スクリーン:X-ADV の純正スクリーンの高さ調整、X-ADV の社外スクリーン、G650GS のスクリーン交換
- 手元:ハンドルカバー(G650GS・XR BAJA)、X-ADV のナックルガードエクステンション
- 首元:ネックウォーマー
ハンドルカバーは、12月や2月下旬の気温なら、私は春夏用のメッシュグローブでも大丈夫でした。グローブを厚くしなくてよいので、レバーやスイッチを操作しやすいままです。
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重ね着は3層で考える
服の重ね着(layering)は、登山などでも使われる3層の考え方が分かりやすいです。
1. ベースレイヤー(肌着)
肌に直接着るものです。汗を吸って、すぐに乾く素材を選びます。綿の肌着は汗を吸ったまま乾きにくく、汗が冷えて体温を奪います。
2. ミドルレイヤー(中間着)
暖かさをつくる層です。フリースやダウンのように、中に空気をためる服が向いています。動かない空気(dead air)の層が、体温を逃がしにくくします。
3. アウターレイヤー(上着)
風と雨を止める層です。バイクでは、走ると風が強く当たるので、風を通さないジャケットとパンツが大事です。首・袖口・裾のすき間から風が入ると、中の暖かい空気が逃げます。
私は12月や3月ごろに乗るとき、上は冬用のライディングジャケットの下にヒートテックを着ています。下半身が冷えやすいので、ズボンの下には温感のスパッツをはいています。
グリップヒーターの種類と配線
手は、風が直接当たり、レバーの操作にも関わるので、冷えると困る場所です。グリップヒーターは、グリップ(握り)を電気で温める装備です。
私の X-ADV には、純正のグリップヒーターが付いています。気温16℃前後で、夏用のグローブでは少し寒かったときに使いました。
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グリップヒーターは、これまで乗った G650GS、タイガーエクスプローラー、X-ADV に標準で付いていました。初めて使ったときは「こんなに温かいものがあるのか」と感動しました。
後付けのグリップヒーターは付けたことがないので、ここからの種類と配線の注意は、一般的な話としてまとめます。
グリップ交換型と巻き付け型
- グリップ交換型:今のグリップを外して、ヒーター入りのグリップに替える。見た目がすっきりする
- 巻き付け型:今のグリップの上から巻く。付けやすいが、グリップが太くなる
どちらも、グリップの太さや長さ、ハンドルの端の形が車種に合うかを、買う前に確かめます。
電源の取り方の注意
- キーをオンにしたときだけ電気が流れる電源から取る(切り忘れでバッテリーが上がるのを防ぐ)
- 配線には必ずヒューズを入れる(ショートしたときに配線を守るため)
- バイクの発電に余裕があるかを確かめる(古いバイクや小排気量車は余裕が少ないことがある)
電装品を何個も付けるときは、電源をまとめる D-UNIT のようなユニットを使う方法もあります。ヒューズの種類や点検については、バイクのヒューズの記事で紹介しています。
私の XR250 BAJA は、もともと発電に余裕が多くありません。XR250/BAJA の弱点の記事にも書いたとおり、電装品をたくさん付けると、バッテリーが上がらないか心配になります。
電熱ウェアの選び方
電熱ベストや電熱グローブ(heated vest / heated gloves)は、服の中の電熱線で体を温めます。電源の取り方で、大きく2つに分かれます。
- モバイルバッテリー式:バイクの配線をいじらずに使える。そのかわり、使える時間がバッテリーの容量で決まる
- 車体から電源を取る式:走っている間はずっと使える。そのかわり、配線が必要で、発電の余裕も確かめる
私は電熱ベストや電熱グローブを、まだ使ったことがありません。使うなら、次の点を比べて選ぶつもりです。
- 使いたい時間(日帰りの往復で足りるか)
- 体のどこを温めたいか(私は下半身が冷えやすい)
- 配線をしてよいか(車体の発電の余裕)
冬に走るときの注意
- 走り出しはタイヤが冷えていて滑りやすいので、しばらくはゆっくり走る
- 日陰や橋の上は、路面が凍っていることがある
- 冬は日が短いので、暗くなる前に帰る計画にする
- 手がかじかんだら、無理をせず止まって温める
装備がそろえば、冬は空気が澄んでいて、景色がきれいに見える季節でもあります。
まとめ
- 走ると、体感温度は気温より下がる(計算上、気温5℃・時速60kmで約−2℃)
- まずスクリーンやハンドルカバーで、体に当たる風を減らす
- 服は、汗を逃がす・暖かい空気をためる・風を止める、の3層で(私は下半身に温感スパッツ)
- 一度冷えると温まりにくいので、冷やさないことが大事
- グリップヒーターは、キーに連動する電源から、ヒューズを入れて取る
- 電熱ウェアは、モバイルバッテリー式か車体から電源を取る式かで選ぶ
※本記事は、筆者(整備士資格のないアマチュア)の経験と、一般的な考え方をまとめたものです。体感温度は計算上の目安です。電装品の取り付けは、車両とメーカーの説明書を確かめ、自己責任で行ってください。