みなさん、こんにちは!
前回の記事では、納車から1000kmを走破したインプレッションとして、「低重心と左手ブレーキによる車体の安定性」について詳しくレポートしました。
※前回の記事をまだ読んでいない方は、ぜひこちらの[【足つき検証】身長167cm短足でも不安ゼロ!X-ADVの低重心の魔法と疲れない神シートを徹底解説]もあわせてご覧ください。
全体的な完成度が極めて高く、圧倒的な走行性能を誇るホンダ X-ADVですが、1000kmという距離を様々な道路環境で走り込む中で、唯一どうしても気になる「走りに関する不満点」が見えてきました。
それが、「路面の特定の条件の凸凹(ギャップ)を乗り越えた際に、腰へとダイレクトに響くリアサスペンション」です。
今回は、数々のオフロードバイクや大型アドベンチャーマシンを乗り継いできたライダーの視点から、X-ADVのリアサスペンションに対するリアルな違和感を掘り下げます。
愛車の乗り心地や足まわりの硬さに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください!
【唯一の不満点】路面の特定の条件の凸凹ギャップが腰へダイレクトに響く?リアサスの違和感
走行性能、操作性など満足度の高いX-ADVですが、街中の路面の特定のギャップを通過するときに、明確な課題を感じました。
まだ、この「特定のギャップ」がどういったものかは解明できていませんが、全てのギャップで不満を感じるわけではありません。

(路面の継ぎ目や凸凹ギャップが存在する道路環境の走行イメージ)
ギャップを通過した瞬間、リアタイヤから「ドン!」という鋭い突き上げ感が伝わり、それがそのままライダーの腰へ刺激として届いてしまうのです。
大径ホイール車(オフロード・アドベンチャー)経験者ゆえの気づき
私はこれまで、TT250RやDT200WR、XR BAJAといった「オフロードバイク」をはじめ、TDM900やタイガーエクスプローラー、BMW G650GS、トランザルプといった「大径ホイールを持つアドベンチャーバイク」を長年所有し、走り込んできました。
- 大径ホイール車(フロント21インチ / リア17〜18インチ): タイヤ自体の外径が大きいため、路面の突起やギャップをなだらかな角度で乗り越えることができる。
- X-ADV(フロント17インチ / リア15インチ): スクーター構造のパッケージング上、リアタイヤが「15インチ」と小径であるため、路面の段差に対して進入角度が急になり、物理的に衝撃を受けやすい。
X-ADVはアドベンチャーのスタイルを纏っていますが、サスペンションのセッティング自体はオンロードでの高速安定性を重視した「締まった固めのセッティング」になっていると思われます。 大径ホイールのしなやかな走破性に慣れていた私にとって、この小径リアタイヤと固めサスが生み出す「腰へのダイレクトな衝撃」は、長距離ツーリングにおいて無視できない疲労要因となっていました。
【高級カスタム検討】テクニクスTASCやナイトロン(NITRON)へのサス交換という誘惑
この「リアの硬さと突き上げ感」を根本から解決するための手段として、サスペンションの本格的なカスタムが頭をよぎります。

(X-ADVのリアサスペンションユニットおよびプロリンク機構の拡大)
- 選択肢①:Technix(テクニクス)のTASC(タスク)フロントフォークチューニング フロントの可動域やダンピング特性を最適化し、車体全体のピッチングと初期作動を劇的に改善するプロショップの本格メニュー。
- 選択肢②:NITRON(ナイトロン)やオーリンズ等の高品質リアショックアブソーバー導入 初期作動をしなやかにし、路面追従性を限界まで高める最高峰のサスペンションカスタム。
これらのサスペンションカスタムを導入すれば、乗り心地が劇的に向上することは間違いありません。
しかし、いきなり10万円〜20万円クラスの高額なカスタムパーツに投資する前に、「まずは自分でできる初期メンテナンスによって、純正サスペンションの潜在能力を100%引き出せないか?」と考えました。
【DIY改善計画】コストゼロで激変?リアリンク周りの分解・グリスアップ検証予告
社外サスを入れる前に私が着目したのが、X-ADVのリアサスペンション底部に採用されている「プロリンク(多段階レバー比リンク機構)」の初期初期スライド抵抗(フリクション)です。

(車体下部に位置するリアサスペンションリンクボルトとカラー周辺)
新車として工場から出荷されるバイクの多くは、組み立て時の効率やコストの観点から、リンク内部のベアリングやブッシュ、カラーに対する「グリスの塗布量が最小限(最低限の防錆レベル)」にとどまっているケースが多々あります。
グリスが不足していると、可動部に微小な金属摩耗や引っかかりが生じ、サスペンションが縮み始める「最初の数ミリの動き出し」が渋くなります。これが、小さなギャップを拾った際のアタリの硬さ(腰への衝撃)に直結している可能性が考えられます。
リアリンク・グリスアップで期待できる3つの効果
- 初期作動の円滑化: リンクのフリクション(抵抗)が激減し、微細な路面のサザ波ギャップに対してリアサスがスッと素直に動き出す。
- 乗り心地の向上: 角の立った突起を乗り越える際の「トーン!」という腰への角張った衝撃が、「トン」というマイルドな入力に変化する。
- サスペンション寿命の延命: リンク内部への雨水や砂埃の侵入を防ぎ、ニードルベアリングの焼付きや錆を防ぐ。
高価なパーツを買う前に、まずはガレージでリアリンクのボルト類を全て抜き取り、耐水・耐極圧性に優れたプレミアムグリスをたっぷりと充填する「DIYリアリンク・グリスアップ検証」を実践することに決定しました!
足まわりDIYメンテナンスに必須!プロ厳選のケミカル&工具
サスペンションの分解・グリスアップ作業を安全かつ確実に行うために、実際にガレージで愛用している信頼の整備アイテムをご紹介します。
1. 過酷な足まわりに打ち勝つ最高峰グリス「ワコーズ(WAKO'S)ウレアグリス」
サスペンションリンクのように、常に強力な荷重と揺れが加わる可動部には、水に強く流されにくい最高級のウレア系(または有機モリブデン配合)極圧グリスが必須です。作動の滑らかさが長期間持続します。
2. 足まわりの高トルクボルトを正確に管理「トルクレンチ」
リアサスペンションやリンク周りのボルトは、走行安全に関わる最重要保安部品です。感覚に頼らず、メーカー指定の規定トルク(N・m)で正確に締め付けるためにトルクレンチは絶対に用意しましょう。
3. スムーズなパーツ洗浄に必須「AZ(エーゼット)強力パーツクリーナー 840ml」
リンク内部に付着している古くなった油脂類や組み立て時の金属粉を完全に洗い流し、新しいグリスの密着性を高めるための必須ケミカルです。
まとめ:DIYメンテナンスでサスペンションの潜在能力を引き出そう!
ホンダ X-ADVの1000km走行で感じた「リアサスペンションの硬さ」と、その解決に向けた「DIYリアリンク・グリスアップ計画」をお届けしました。
- 小径15インチリアタイヤと固めのサス設定が、ギャップ通過時の腰への衝撃を生んでいた
- いきなり社外サス(ナイトロン等)へ高額投資する前に、リンク可動部のフリクション低減を試す価値がある
- 新車時のグリス不足を補い、初期作動(動き出しのしなやかさ)の改善を目指す
ガレージで自分の手を動かし、愛車の弱点を一つひとつ改善していくプロセスこそが、バイクライフの最大の醍醐味です。
今後、実際にX-ADVのリアリンクをガレージで分解し、新車時のグリス塗布状態の検証から、グリスアップ後の試乗フィーリングの変化までを写真満載で徹底レポートする「【実作業編】X-ADVリアリンク分解&グリスアップ!乗り心地は改善したのか?」をお届けします。
足まわりのしなやかさを取り戻し、さらなる上質なロングツアラーへと進化させたい方は、ぜひ実作業編も楽しみにお待ちください!
それでは、最高のバイクライフを!