みなさん、こんにちはBooです。
バイクのスイングアームのメンテナンスは、「手の届くところを清掃する」のがほとんどではないでしょうか。
ですが、スイングアームやリアリンクがスムーズに動くことで、バイクの乗り心地が良くなりますし、それによってツーリング時の疲労や運転のしやすさにも繋がると思います。
そこで今回はバイクのスイングアームのベアリングを交換したお話しです。
準備するもの
- 新品のベアリング(私はNTN HK2216を使いました)
- 新品のオイルシール
- ベアリングプーラー
- ベアリングプーラーを使うための工具(ここでは14mmや17mmのスパナやメガネレンチなど)
- (必要であれば)ベアリングプーラーの高さをかさ上げするもの(後に詳しく書いてますが、ナットや金属板、木の板など硬いものです)
- ベアリング、オイルシールを圧入するための工具(ここではM12のずん切りボルトやナット、ワッシャなど)
1.ベアリングを外す

スイングアームのピボットシャフトが通る部分のベアリングを交換していきます。

ベアリングの状態です。
グリスが茶色く汚れていますが、錆はないようです。
ここで、ベアリングがスイングアームの端からどれくらいの深さに設置してあるのかを測っておかなければなりません。ベアリングを交換したときに、どの深さまで圧入すれば良いか分からなくなるからです。
ベアリング圧入の深さは、多くはオイルシールの厚さ分だとは思いますが、車種によっても違うと思います。

ベアリングがスムーズに抜けるように、あらかじめラスペネを浸透させておきました。(ラスペネを付けて24時間ほど経ってからベアリングを抜く作業に入りました)

ベアリングプーラーをセットして、ベアリングを引き抜いていきます。

段々とベアリングが引き抜けてきました。
が。。。。。

ベアリングがもう少しで抜けそう、という時に
ベアリングプーラーが、これ以上ベアリングを引き抜けない所まで来てしまいました。
こういったことはたまにあります。

こういうときは、ベアリングプーラーの足をかさ上げしてあげれば良いのです。
今回は、ナットを使ってかさ上げしました。ナットの他、割り箸、木の板などを使うことがあります。
また、ベアリングプーラーやナットにマスキングテープを巻いてあるのは、スイングアームを傷付けないためです。

全てのベアリングを抜きました。

拡大してみても、グリスが汚れていますが、錆びてはいないようです。
写真で見ると、元のベアリングはニードル(ころ)の間に保持器がある「保持器付き」の形です。新品には、これと同じ形のNTN HK2216(保持器付き針状ころ軸受)を使いました。

ベアリングを引き抜いた後のスイングアームです。
目立った腐食はありませんでした。
2.ベアリングを圧入する

次はベアリングの圧入です。
M12のずん切りボルト、ワッシャ、ナットなどを使って圧入していきます。

ベアリングを圧入する深さは、あらかじめ計って(串に記しを付けて)おきましたので、この深さまで圧入すればOKとしました。私のG650GSでは、スイングアームの端から4mm(オイルシールの厚さと同じ)でした。
3.オイルシールを圧入する
ベアリングの圧入が終われば、次はオイルシールの圧入です。
今回用意したオイルシールは純正のものではなく、純正とサイズが同じ互換品としました。
使ったのは、日本トムソン(IKO)の二枚リップのオイルシール「DS22284」(内径22mm・外径28mm・幅4mm)です。

オイルシールはベアリングのように硬くないので、圧入は慎重に行う必要があります。
私は、手でできる範囲で圧入してから、ベアリングの圧入と同じように工具を使って圧入しています。

キレイに圧入できました。
この後、グリスを塗って終了としました。
交換したあと、リアタイヤの動きがスムーズになったように感じました。ただ、プラシーボかもしれません。
このシールは、主リップを外側に向けて圧入しました。スイングアームのピボット部分は走行中に泥や水をかぶりやすいので、異物の侵入を防ぐことを主な目的にしたからです。
このDS型のシールは、目的によって向きが変わります。向き(表と裏)に迷って調べた内容は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
なお、このベアリング交換のときに、ピボットシャフトが錆びているのを見つけました。そこでピボットシャフトを注文して、いったんスイングアームを元に戻しました。シャフトの取り外しと交換は、固着したピボットシャフトの取り外しとピボットシャフトの交換で紹介しています。
また、この作業のときにリアリンクのベアリングも外しました。リアリンクは新品にせず、グリスアップして使い直しています(理由はベアリングの考察に書きました)。
今回の作業に使用した主な工具等を紹介しておきます。