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バイクのピボットシャフト交換手順|錆びたシャフトを新品にした記録

2025-11-22

みなさん、こんにちは。
今回は、バイク(BMW G650GS)のピボットシャフトを交換した作業を紹介します。

車両BMW G650GS(2012年式)
かかった時間作業そのものは約3時間(錆びたシャフトを抜いたときは2日かかった)
難しさの目安タイヤ・足回りを外した経験のある人向け(リアタイヤを外し、スイングアームを支えて、100Nm で締める)
部品番号ピボットシャフト 33 17 7 650 588(注文から届くまで約3週間)
工具トルクス T25・T27・T45、ヘキサゴン 5mm、六角ソケット 18・19・21・22・24mm、メガネレンチ 10・19mm、ラチェット、ブレーカーバー、トルクレンチ(71Nm・100Nm)
グリスEPL(シャフト)、オメガ(可動部)
締め付けマニュアルはナット新品・ねじロック剤・40Nm→100Nm。私はナットを再利用して100Nm
作業の早見表

ピボットシャフトとは?

ピボットシャフトは、スイングアームをフレームに取り付けている太い軸(ボルト)のことです。
スイングアームの付け根(スイングアームピボット)を貫通していて、リアタイヤが路面の凸凹に合わせて上下に動くとき、スイングアームはこのシャフトを中心に動きます。

多くのバイクでは、ステップの近くのフレームとスイングアームの付け根が重なっている部分にあり、車体の横からシャフトの頭やナットが見えます。

ピボットシャフトとスイングアームの間にはベアリングやカラーが入っていて、グリスで潤滑されています。
グリスが切れたり水が入ったりすると、シャフトが錆びて固着し、抜けなくなったり、スイングアームの動きが悪くなったりします。

普段は見えない部品なので、スイングアームやリアリンクのベアリングを交換するときなどに抜いて点検し、グリスアップしておくのがおすすめです。

ピボットシャフトのメンテナンスしたことありますか?

以前、スイングアームやリアリンクのベアリングを交換した際にピボットシャフトを抜いたのですが、サビが酷く、抜くのにもかなり苦労しました。
それがいつまでも気になっていて、とうとう新品ピボットシャフトを注文してしまいました。

錆びて固着したシャフトを2日かけて抜いたときの方法と、サビの状態はこちらの記事にまとめています。

固着したピボットシャフトの外し方|G650GSの錆びたシャフトを抜いた記録

みなさん、こんにちはBooです。 今回は、G650GSのピボットシャフトを外したお話です。 今回はとても苦労しました。1日では作業できず、2日がかりの作業となりました。 車両BMW G650GS(20 ...

新品のピボットシャフト

こちらが注文したピボットシャフトです。注文してから3週間ほどで手元に届きました。
袋のラベルにはBMWの部品番号「33 17 7 650 588」が書かれています。

BMW G650GS用純正スイングアームピボットシャフト(部品番号: 33 17 7 650 588)の新品の写真です。

ピボットシャフト交換に必要なもの

バイクのスイングアームピボットシャフト交換に使用する様々な工具と油脂類の様子です。具体的には、トルクレンチ2本、各種ソケット、ラチェットレンチ、スパナ、ウエス、そしてスーパーゾイル・ラバーグリースとEPLのグリス缶(またはオイル添加剤)などが含まれています。

今回は上の写真の工具などを使用しました。
マッドガードを外す工具や、他の工具で代用できるものもあると思いますので、必ず下記の工具でなければならないというわけではありません。

  • トルクスのソケット T25、T27、T45
  • ヘキサゴンのソケット 5mm
  • トルクレンチ 71Nm、100Nmに対応したもの
  • 六角ソケット 18、19、21、22、24mm
  • メガネレンチ 10、19mm
  • 用意したソケットを使うためのラチェットハンドル

ピボットシャフトの交換手順

リアタイヤを外す

バイクのリアタイヤ上部に取り付けられたリアフェンダー(マッドガード)の写真です。スイングアームから伸びるステーで固定されており、取りはずし作業中にラチェットレンチでボルトを外している様子が写っています。チェーンやスプロケットも一部見えています。このアクセサリーは、泥はねや水はねを軽減し、リアサスペンションやライダーの保護に役立ちます。

まずは取り付けたばかりの純正のマッドガードを外します。
(この後、チェーンカバーも外さないといけないことになります)

バイクのリアホイール部分で、非常に長いブレーカーバーを使用してアクスルナットを緩めている作業中の写真です。手前の白いトレーには別の工具(ラチェットハンドルなど)が置かれています。

リアのアクスルシャフトを緩めます。
ここは大きなトルクで締められているのでブレーカーバーで外しました。

バイクのスイングアーム周辺で、新しいアクスルシャフトを外している作業中の近接写真です。黒い作業用手袋をした手が、シルバーのシャフトとワッシャー、ナットをつかみ、バイクのフレームとスイングアームの接合部から引き抜こうとしています。

リアのアクスルシャフトを抜きます。
アクスルシャフトも、以前グリスアップをしましたので苦労なく抜けてくれました。

リアタイヤを外すために、リアブレーキパッドを少し広げて、ブレーキディスクを外すところ。

タイヤを外す前にリアブレーキパッドを少し開いておき、ブレーキディスクが外れるようにしておきます。

バイクのリアホイール、スイングアーム、チェーン周りの全景写真です。チェーンがスプロケットから外されたところです。また、リアサスペンションの一部や、車体を支えるセンタースタンド(またはメンテナンススタンド)も確認できます。

アクスルシャフトを外したので、リアタイヤが外れるかと思いきや、チェーンカバーが邪魔でリアタイヤが外れません。
うまくすれば外せそうなのですが、色々なところに傷がつくのがイヤだったので、急がば回れでチェーンカバーを外すことにしました。

バイクのリアホイール、スイングアーム、およびチェーンカバー(チェーンケース)周辺の詳細写真です。車体下部のチェーンカバーを固定している3本のボルトが黄色い丸で強調表示されています。

チェーンカバーは、上の写真の黄色まるで囲ったネジ3本で止められています。

ガレージで、BMW G650GSのリアタイヤを取り外した状態の写真です。バイクはセンタースタンドで直立しており、スイングアーム、リアサスペンション、そしてシルバーのキャストホイール(リアアクスルシャフトが外れた状態)が見えます。

チェーンカバーを外したことでリアタイヤをすんなり外すことができました。

スイングアームをサスペンションから切り離す

バイクのリアサスペンションリンケージ(リンクアーム)の詳細写真です。赤い丸で囲まれた部分は、リンク機構を構成するボルトとナットの接合部で、車体のメンテナンス、特に足回りのグリスアップやベアリング交換、またはスイングアームピボットシャフトの交換作業の写真です。

次は、リアリンクとスイングアームの連結部を外します。
上の写真の赤丸のナットを外します。

ですが、その前に。。。。

ガレージでのバイクメンテナンス作業中の風景です。リアリンクとの接合部を外したスイングアームを支えるため青色の10Lポリタンクを使っています。

スイングアームとリアリンクの連結部が外されると、スイングアームの動きが自由になり、スイングアームが下にさがります。
そうなると作業がやりにくくなるので、スイングアームが下に下がっていかないようにします。

ここでは、10Lのポリタンクでスイングアーム後端を支えることにしました。
他の方法として、スイングアームをヒモでサブフレームに吊るすなどがあると思います。

バイクのスイングアーム周辺で、センタースタンドを使用して車体を浮かせ、整備している様子の近接写真です。スイングアームとフレームを繋ぐピボットシャフト周りのリンク機構をメガネレンチとソケットラチェットで緩めるが写っています。

スイングアームが下に下がらないような準備ができたところでボルトを緩めていきます。
ちなみに、このボルトの頭は18mmです。
18mmのソケットが手元になかったので、プラグレンチで代用しました。プラグレンチはこんなに力のかかる仕事はしてはいけないと思いますので、準備の段階でソケットを用意しておくことをおすすめします。

ピボットシャフトを抜く

黒い作業用手袋を着用した手が、バイクのフレームから古いスイングアームピボットシャフトを引き抜いている作業中の近接写真です。シャフトは摩耗しているように見えます。背景には、エンジン側のカバー(「BMW」ロゴ入り)や、ギザギザのステップ、サイドスタンドの一部が見えます。

スイングアームが自由になったところでピボットシャフトを抜きます。
前回の整備のときに、ピボットシャフトにはグリスを塗布しておきましたので、ピボットシャフトは素直に抜けてきてくれました。
固着して抜けない場合は、固着したピボットシャフトの外し方で、叩く・潤滑剤を吹く・回すを繰り返して抜いた方法を紹介しています。

黒い作業用手袋を着用した手が、ステンレス製のスケールを、摩耗や錆、汚れが見えるバイクの長い金属製シャフト(ピボットシャフトまたはアクスルシャフト)に当てて長さを測っている近接写真です。シャフトの摩耗状態を記録し、新品への交換やメンテナンスの必要性を判断している様子が伝わります。スケールの100mmの場所が一番腐食がひどいです。

さて、ここで外したピボットシャフトの一番腐食のひどい箇所を見てみます。
一番腐食のひどい箇所は、シャフトの頭から100mmのところでした。

バイクのリアサスペンション周辺で、黄色いオーリンズ(Öhlins)製リアショックアブソーバーが写っています。ピボットシャフトの一番腐食の酷かったところがスケールを当てた100mmの場所あたりになります。

では、ピボットシャフトが車体に取り付けられた状態で、この一番腐食のひどい位置はどの位置になるか?

フレームの厚みなどがわからなかったので、「大体」ですが、その位置は上の写真でみるとリアサスペンションのスプリングの左端あたりになります。
どの車両でも同じかどうかは分かりませんが、私の車両ではこの位置の腐食が一番酷かったです。
同じG650GS(F650GSもかな?)に乗られる方の何らかの参考になればと思い、ここに情報を掲載しておきます。
ちなみにこの車両は2012年式で20,000kmほどの走行距離のものです。

新しいピボットシャフトを取り付ける

黒い作業用手袋を着用した手が、EPLのロゴが入った金属製の缶に入ったグリスを、長い金属製のピボットシャフト(またはアクスルシャフト)に塗布しようとしている作業中の近接写真です。

では、新品のピボットシャフトにグリスを塗布していきます。
ここではEPLのグリスを使用しました。

黒い作業用手袋を着用した手が、使用済みの金属製ワッシャーをウエスの上に置いている近接写真です。ワッシャーの表面には、摩耗や使用による痕跡、汚れ、またはわずかな錆が見られます。

ピボットシャフトの両端にはワッシャが入っています。
このワッシャは本当は新品交換が良いと思うのですが、キレイに清掃して再利用します。

黒い作業用手袋を着用した手が、バイクのフレームから古いスイングアームピボットシャフトを挿入している作業中の近接写真です。

新品のピボットシャフトを挿入していきます。

ガレージでのBMW G650GSのメンテナンス作業風景です。車体は右側を向いており、サイドカウルが取り外されています。取り付けた新品のピボットシャフトをトルクレンチを使用して締め付けている写真です。

ピボットシャフトをトルクレンチで締めます。

G650GSのリペアマニュアルの締付トルク。スイングアームピボットとフレーム(M14×1.5ナット、初期40Nm・最終100Nm)
G650GSリペアマニュアルより引用

リペアマニュアルでは、ナットを新品に交換し、ねじロック剤を使って、初期トルク40Nmで締めてから、最終トルク100Nmで締めるように指定されています。

私はナットを再利用し、ねじロック剤も使わず、100Nmで締めただけでした。これから作業される方は、リペアマニュアルの指定どおりに作業してください。

バイクのスイングアームピボット部またはエンジンマウント部の拡大写真です。大きな六角ナットが見えており、ピンクのマーキング(締め付け確認または調整マーク)が施されています。

かなりのトルクで締めましたので緩むことはないと思いましたが、念の為マーキングしておきます。

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スイングアームの動きを確かめる

バイクの足回りメンテナンス作業中の風景です。車体はセンタースタンドで立てられ、リアホイールが取り外されています。交換したピボットシャフトを規定トルクで締め付けた後、スイングアームがスムーズに動くかどうかを確認しています。

ピボットシャフトを取り付けたあと、スイングアームが自由に動くうちにスイングアームの動きを確認しておきます。
あれだけのトルクで締めたのにスムーズに動きます!
ピボットシャフトの取り付けが、スイングアームの動きを阻害しないような構造になっていることを実感しました。

スイングアームとリアサスペンションをつなげる

黒い作業用手袋を着用した手が、バイクのシャフトに青色のグリス(OMEGA 77 多目的極圧グリス)を塗布し、車体側に差し込もうとしている作業中の近接写真です。

あとは、バラした順番に組み上げていくことになります。
スイングアームとリアリンクの連結部を取り付けていきます。

写真は撮り忘れましたが、各部品の可動部にはオメガのグリスを塗布しておきました。

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G650GSのリアリンクとスイングアーム結合箇所を、規定トルクで締め付けを行う様子

ここもきちんとトルクレンチでトルク管理していきます。(といってもこのトルクレンチは長年使用してるけど、校正はしていないんですよね。。。。)

G650GSのリペアマニュアルの締付トルク。テンションストラットとディフレクションレバー(M12ナット 71Nm)
G650GSリペアマニュアルより引用
スイングアームとリアリンクの連結部のボルトを締め付けたところ、ボルトには締め付け終了の目印を付けている。

リペアマニュアルでは、テンションストラットとディフレクションレバーのナットも新品に交換し、ねじロック剤を使って71Nmで締めるように指定されています。

こちらもナット締付後に印をつけておきます。

リアタイヤを取り付ける

バイクのリアタイヤをスイングアームに取り付けているところ。

タイヤを装着していきます。
この時に一番注意したのは、ブレーキディスクとブレーキキャリパの接触、それからブレーキディスクを2枚のブレーキパッドの間にきちんと入れること、でした。

チェーンの張りを調整する

G650GSのチェーンのたるみ量を定規で測定している様子。規定値(30〜40mm程度)内に収まっているか確認中

タイヤを取り付けたら、アクスルシャフトを通して、チェーンの張り調整です。

アクスルシャフトの締付けにトルクレンチを使用しているところ。

ここもトルクレンチを使用します。

BMW G650GSメンテナンス風景:スイングアームのアクスル位置決めスケールとアクスルナットのクローズアップ

アクスルシャフトにも締付後の印をつけておきます。

これでピボットシャフトの交換作業は終了です。

あれ?このボルト・ナットは規定トルクで締めたかな??とならないために

バイクのメンテナンスをしていると、一度に多くの場所のボルトやナットを緩めます。
そして、それらのボルト・ナットを一旦仮止めする箇所もあれば、本締めする箇所もありますし、日をまたぐメンテナンスになることもあります

ですので、「あれ?」このボルト・ナットは本締めしたかな?と思うこともしばしば。。。。。
そのために本締めが終わった場所はマーキングするようにしておきますし、緩むと大変なことになる箇所は印だけでなく、締めた位置も分かるようにしています。

-G650GS, カスタム, メンテナンス