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ピボットシャフトの交換

みなさん,こんにちは.
今回は,バイクのピボットシャフトを交換した作業を紹介します.

ピボットシャフトのメンテナンスしたことありますか?

以前,スイングアームやリアリンクのベアリングを交換した際にピボットシャフトを抜いたのですが,サビが酷く,抜くのにもかなり苦労しました.
それがいつまでも気になっていて,とうとう新品ピボットシャフトを注文してしまいました.

ピボットシャフトのサビについてはこちらの記事をご覧ください.

新品のピボットシャフト

こちらが注文したピボットシャフトです.注文してから3週間ほどで手元に届きました.

G650GSの新品ピボットシャフト.部品番号も写っている.

ピボットシャフト交換に必要なもの

ピボットシャフト交換のために使用した工具類

今回は上の写真の工具などを使用しました.
マッドガードを外す工具や,他の工具で代用できるものもあると思いますので,必ず下記の工具でなければならないというわけではありません.

  • トルクスのソケット T25,T27,T45
  • ヘキサゴンのソケット 5mm
  • トルクレンチ 71Nm,100Nmに対応したもの
  • 六角ソケット 18,19,21,22,24mm
  • メガネレンチ 10,19mm
  • 用意したソケットを使うためのラチェットハンドル

ピボットシャフトの交換手順

リアタイヤを外す

G650GSのマッドカバーを外すところ.

まずは取り付けたばかりのマッドガードを外します.
(この後,チェーンカバーも外さないといけないことになります)

リアのアクスルシャフトをブレーカーバーを使って緩めているところ.

リアのアクスルシャフトを緩めます.
ここは大きなトルクで締められているのでブレーカーバーで外しました.

リアのアクスルシャフトを外すところ.

リアのアクスルシャフトを抜きます.
アクスルシャフトも,以前グリスアップをしましたので苦労なく抜けてくれました.

リアタイヤを外すために,リアブレーキパッドを少し広げて,ブレーキディスクを外すところ.

タイヤを外す前にリアブレーキパッドを少し開いておき,ブレーキディスクが外れるようにしておきます.

アクスルシャフトを外したので,リアタイヤが外れるかと思いきや,チェーンカバーが邪魔でリヤタイヤが外れません.
うまくすれば外せそうなのですが,色々なところに傷がつくのがイヤだったので,急がば回れでチェーンカバーを外すことにしました.

チェーンカバーは,上の写真の黄色まるで囲ったネジ3本で止められています.

チェーンカバーを外したことでリヤタイヤをすんなり外すことができました.

スイングアームをサスペンションから切り離す

次は,リアリンクとスイングアームの連結部を外します.
上の写真の赤丸のナットを外します.

ですが,その前に....

スイングアームとリアリンクの連結部が外されると,スイングアームの動きが自由になり,スイングアームが下にさがります.
そうなると作業がやりにくくなるので,スイングアームが下に下がっていかないようにします.

ここでは,10Lのポリタンクでスイングアーム後端を支えることにしました.
他の方法として,スイングアームをヒモでサブフレームに吊るすなどがあると思います.

スイングアームが下に下がらないような準備ができたところでボルトを緩めていきます.
ちなみに,このボルトの頭は18mmです.
18mmのソケットが手元になかったので,プラグレンチで代用しました.プラグレンチはこんなに力のかかる仕事はしてはいけないと思いますので,準備の段階でソケットを用意しておくことをおすすめします.

ピボットシャフトを抜く

スイングアームが自由になったところでピボットシャフトを抜きます.
前回の整備のときに,ピボットシャフトにはグリスを塗布しておきましたので,ピボットシャフトは素直に抜けてきてくれました.

さて,ここで外したピボットシャフトの一番腐食のひどい箇所を見てみます.
一番腐食のひどい箇所は,シャフトの頭から10cmのところでした.

では,ピボットシャフトが車体に取り付けられた状態で,この一番腐食のひどい位置はどの位置になるか?

フレームの厚みなどがわからなかったので,「大体」ですが,その位置は上の写真でみるとリアサスペンションのスプリングの左端あたりになります.
どの車両でも同じかどうかは分かりませんが,私の車両ではこの位置の腐食が一番酷かったです.
同じG650GS(F650GSもかな?)に乗られる方の何らかの参考になればと思い,ここに情報を掲載しておきます.
ちなみにこの車両は2012年式で20,000kmほどの走行距離のものです.

新しいピボットシャフトを取り付ける

では,新品のピボットシャフトにグリスを塗布していきます.
ここではEPLのグリスを使用しました.

ピボットシャフトの両端にはワッシャが入っています.
このワッシャは本当は新品交換が良いと思うのですが,キレイに清掃して再利用します.

新品のピボットシャフトを挿入していきます.

ピボットシャフトをトルクレンチで締めます.

G650GSリペアマニュアルより引用

リペアマニュアルによると締め付けトルクは100Nmです.

かなりのトルクで締めましたので緩むことはないと思いましたが,念の為マーキングしておきます.

スイングアームの動きを確かめる

ピボットシャフトを取り付けたあと,スイングアームが自由に動くうちにスイングアームの動きを確認しておきます.
あれだけのトルクで締めたのに簡単に動きます.
ピボットシャフトの取り付けが,スイングアームの動きを阻害しないような構造になっていることを実感しました.

スイングアームとリアサスペンションをつなげる

スイングアームとリアリンク

あとは,バラした順番に組み上げていくことになります.
スイングアームとリアリンクの連結部を取り付けていきます.

写真は取り忘れましたが,各部品の可動部にはオメガのグリスを塗布しておきました.

スイングアームとリアリンクの取り付け部をトルクレンチによって締めているところ.

ここもきちんとトルクレンチでトルク管理していきます.(といってもこのトルクレンチは長年使用してるけど,校正はしていないんですよね....)

G650GSリペアマニュアルより引用
スイングアームとリアリンクの連結部のボルトを締め付けたところ,ボルトには締め付け終了の目印を付けている.

こちらもナット締付後に印をつけておきます.

リアタイヤを取り付ける

バイクのリアタイヤをスイングアームに取り付けているところ.

タイヤを装着していきます.
この時に一番注意したのは,ブレーキディスクとブレーキキャリパの接触,それからブレーキディスクを2枚のブレーキパッドの間にきちんと入れること,でした.

チェーンの張りを調整する

バイクのチェーンの張り調整のため,チェーンの張り具合を測っているところ.

タイヤを取り付けたら,アクスルシャフトを通して,チェーンの張り調整です.

アクスルシャフトの締付けにトルクレンチを使用しているところ.

ここもトルクレンチを使用します.

アクスルシャフトを締め付け後に,マーキングしてある様子.

アクスルシャフトにも締付後の印をつけておきます.

これでピボットシャフトの交換作業は終了です.

あれ?このボルト・ナットは規定トルクで締めたかな??とならないために

バイクのメンテナンスをしていると,一度に多くの場所のボルトやナットを緩めます.
そして,それらのボルト・ナットを一旦仮止めする箇所もあれば,本締めする箇所もありますし,日をまたぐメンテナンスになることもあります

ですので,「あれ?」このボルト・ナットは本締めしたかな?と思うこともしばしば.....
そのために本締めが終わった場所はマーキングするようにしておきますし,緩むと大変なことになる箇所は印だけでなく,締めた位置も分かるようにしています.

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