みなさん、こんにちは。
今回は、バイク(BMW G650GS)のピボットシャフトを交換した作業を紹介します。
| 車両 | BMW G650GS(2012年式) |
| かかった時間 | 作業そのものは約3時間(錆びたシャフトを抜いたときは2日かかった) |
| 難しさの目安 | タイヤ・足回りを外した経験のある人向け(リアタイヤを外し、スイングアームを支えて、100Nm で締める) |
| 部品番号 | ピボットシャフト 33 17 7 650 588(注文から届くまで約3週間) |
| 工具 | トルクス T25・T27・T45、ヘキサゴン 5mm、六角ソケット 18・19・21・22・24mm、メガネレンチ 10・19mm、ラチェット、ブレーカーバー、トルクレンチ(71Nm・100Nm) |
| グリス | EPL(シャフト)、オメガ(可動部) |
| 締め付け | マニュアルはナット新品・ねじロック剤・40Nm→100Nm。私はナットを再利用して100Nm |
ピボットシャフトとは?
ピボットシャフトは、スイングアームをフレームに取り付けている太い軸(ボルト)のことです。
スイングアームの付け根(スイングアームピボット)を貫通していて、リアタイヤが路面の凸凹に合わせて上下に動くとき、スイングアームはこのシャフトを中心に動きます。
多くのバイクでは、ステップの近くのフレームとスイングアームの付け根が重なっている部分にあり、車体の横からシャフトの頭やナットが見えます。
ピボットシャフトとスイングアームの間にはベアリングやカラーが入っていて、グリスで潤滑されています。
グリスが切れたり水が入ったりすると、シャフトが錆びて固着し、抜けなくなったり、スイングアームの動きが悪くなったりします。
普段は見えない部品なので、スイングアームやリアリンクのベアリングを交換するときなどに抜いて点検し、グリスアップしておくのがおすすめです。
ピボットシャフトのメンテナンスしたことありますか?
以前、スイングアームやリアリンクのベアリングを交換した際にピボットシャフトを抜いたのですが、サビが酷く、抜くのにもかなり苦労しました。
それがいつまでも気になっていて、とうとう新品ピボットシャフトを注文してしまいました。
錆びて固着したシャフトを2日かけて抜いたときの方法と、サビの状態はこちらの記事にまとめています。
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固着したピボットシャフトの外し方|G650GSの錆びたシャフトを抜いた記録
みなさん、こんにちはBooです。 今回は、G650GSのピボットシャフトを外したお話です。 今回はとても苦労しました。1日では作業できず、2日がかりの作業となりました。 車両BMW G650GS(20 ...
新品のピボットシャフト
こちらが注文したピボットシャフトです。注文してから3週間ほどで手元に届きました。
袋のラベルにはBMWの部品番号「33 17 7 650 588」が書かれています。

ピボットシャフト交換に必要なもの

今回は上の写真の工具などを使用しました。
マッドガードを外す工具や、他の工具で代用できるものもあると思いますので、必ず下記の工具でなければならないというわけではありません。
- トルクスのソケット T25、T27、T45
- ヘキサゴンのソケット 5mm
- トルクレンチ 71Nm、100Nmに対応したもの
- 六角ソケット 18、19、21、22、24mm
- メガネレンチ 10、19mm
- 用意したソケットを使うためのラチェットハンドル
ピボットシャフトの交換手順
リアタイヤを外す

まずは取り付けたばかりの純正のマッドガードを外します。
(この後、チェーンカバーも外さないといけないことになります)

リアのアクスルシャフトを緩めます。
ここは大きなトルクで締められているのでブレーカーバーで外しました。

リアのアクスルシャフトを抜きます。
アクスルシャフトも、以前グリスアップをしましたので苦労なく抜けてくれました。

タイヤを外す前にリアブレーキパッドを少し開いておき、ブレーキディスクが外れるようにしておきます。

アクスルシャフトを外したので、リアタイヤが外れるかと思いきや、チェーンカバーが邪魔でリアタイヤが外れません。
うまくすれば外せそうなのですが、色々なところに傷がつくのがイヤだったので、急がば回れでチェーンカバーを外すことにしました。

チェーンカバーは、上の写真の黄色まるで囲ったネジ3本で止められています。

チェーンカバーを外したことでリアタイヤをすんなり外すことができました。
スイングアームをサスペンションから切り離す

次は、リアリンクとスイングアームの連結部を外します。
上の写真の赤丸のナットを外します。
ですが、その前に。。。。

スイングアームとリアリンクの連結部が外されると、スイングアームの動きが自由になり、スイングアームが下にさがります。
そうなると作業がやりにくくなるので、スイングアームが下に下がっていかないようにします。
ここでは、10Lのポリタンクでスイングアーム後端を支えることにしました。
他の方法として、スイングアームをヒモでサブフレームに吊るすなどがあると思います。

スイングアームが下に下がらないような準備ができたところでボルトを緩めていきます。
ちなみに、このボルトの頭は18mmです。
18mmのソケットが手元になかったので、プラグレンチで代用しました。プラグレンチはこんなに力のかかる仕事はしてはいけないと思いますので、準備の段階でソケットを用意しておくことをおすすめします。
ピボットシャフトを抜く

スイングアームが自由になったところでピボットシャフトを抜きます。
前回の整備のときに、ピボットシャフトにはグリスを塗布しておきましたので、ピボットシャフトは素直に抜けてきてくれました。
固着して抜けない場合は、固着したピボットシャフトの外し方で、叩く・潤滑剤を吹く・回すを繰り返して抜いた方法を紹介しています。

さて、ここで外したピボットシャフトの一番腐食のひどい箇所を見てみます。
一番腐食のひどい箇所は、シャフトの頭から100mmのところでした。

では、ピボットシャフトが車体に取り付けられた状態で、この一番腐食のひどい位置はどの位置になるか?
フレームの厚みなどがわからなかったので、「大体」ですが、その位置は上の写真でみるとリアサスペンションのスプリングの左端あたりになります。
どの車両でも同じかどうかは分かりませんが、私の車両ではこの位置の腐食が一番酷かったです。
同じG650GS(F650GSもかな?)に乗られる方の何らかの参考になればと思い、ここに情報を掲載しておきます。
ちなみにこの車両は2012年式で20,000kmほどの走行距離のものです。
新しいピボットシャフトを取り付ける

では、新品のピボットシャフトにグリスを塗布していきます。
ここではEPLのグリスを使用しました。

ピボットシャフトの両端にはワッシャが入っています。
このワッシャは本当は新品交換が良いと思うのですが、キレイに清掃して再利用します。

新品のピボットシャフトを挿入していきます。

ピボットシャフトをトルクレンチで締めます。
G650GSリペアマニュアルより引用
リペアマニュアルでは、ナットを新品に交換し、ねじロック剤を使って、初期トルク40Nmで締めてから、最終トルク100Nmで締めるように指定されています。
私はナットを再利用し、ねじロック剤も使わず、100Nmで締めただけでした。これから作業される方は、リペアマニュアルの指定どおりに作業してください。

かなりのトルクで締めましたので緩むことはないと思いましたが、念の為マーキングしておきます。
スイングアームの動きを確かめる

ピボットシャフトを取り付けたあと、スイングアームが自由に動くうちにスイングアームの動きを確認しておきます。
あれだけのトルクで締めたのにスムーズに動きます!
ピボットシャフトの取り付けが、スイングアームの動きを阻害しないような構造になっていることを実感しました。
スイングアームとリアサスペンションをつなげる

あとは、バラした順番に組み上げていくことになります。
スイングアームとリアリンクの連結部を取り付けていきます。
写真は撮り忘れましたが、各部品の可動部にはオメガのグリスを塗布しておきました。

ここもきちんとトルクレンチでトルク管理していきます。(といってもこのトルクレンチは長年使用してるけど、校正はしていないんですよね。。。。)
G650GSリペアマニュアルより引用

リペアマニュアルでは、テンションストラットとディフレクションレバーのナットも新品に交換し、ねじロック剤を使って71Nmで締めるように指定されています。
こちらもナット締付後に印をつけておきます。
リアタイヤを取り付ける

タイヤを装着していきます。
この時に一番注意したのは、ブレーキディスクとブレーキキャリパの接触、それからブレーキディスクを2枚のブレーキパッドの間にきちんと入れること、でした。
チェーンの張りを調整する

タイヤを取り付けたら、アクスルシャフトを通して、チェーンの張り調整です。

ここもトルクレンチを使用します。

アクスルシャフトにも締付後の印をつけておきます。
これでピボットシャフトの交換作業は終了です。
あれ?このボルト・ナットは規定トルクで締めたかな??とならないために
バイクのメンテナンスをしていると、一度に多くの場所のボルトやナットを緩めます。
そして、それらのボルト・ナットを一旦仮止めする箇所もあれば、本締めする箇所もありますし、日をまたぐメンテナンスになることもあります
ですので、「あれ?」このボルト・ナットは本締めしたかな?と思うこともしばしば。。。。。
そのために本締めが終わった場所はマーキングするようにしておきますし、緩むと大変なことになる箇所は印だけでなく、締めた位置も分かるようにしています。

