みなさん、こんにちは。
前回の記事では、前オーナーによってズレて取り付けられていたフロントフェンダーエクステンダー(延長パーツ)を取り外し、完璧な脱脂処理を行ってから、3M製の超強力両面テープで再接着するまでの様子をお届けしました。
3M製テープの初期粘着力が強力すぎたため、貼り付け時にわずかなズレが生じたまま一発ロックされてしまうという DIY ならではのアクシデントもありましたが、泥の侵入を防ぐための内部のテープ配置自体は完璧に完了しています。
今回は、このフェンダー延長カスタムの「最終回(完結編)」です!
走行中の激しい振動や風圧に耐えるための「物理的なビス(ネジ)留め固定」と、前回の最大の教訓であった「パーツの隙間に砂泥が詰まってバネ下荷重が増加する問題」を根本からシャットアウトするための「風呂用シリコンコーキング剤(シーリング剤)による隙間完全密閉加工」のプロセスを詳しく解説します。
大切な愛車をトラブルから守りカスタムを完成させたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
【ビス留め固定】ドリルによる正確な穴あけとネジ込みで物理的に完全固定
超強力両面テープによる接着だけでも十分な強度はありますが、フロントフェンダーは走行中に強い風圧や路面からの激しい振動を常に受け続ける過酷な場所です。 経年劣化によるパーツの脱落を100%防ぐため、両面テープに加えてビス(ネジ)による物理的な固定を行います。
前回の接着作業により、すでにパーツ同士の位置は固定されているため、元のビス穴の位置に合わせて新しく正確なガイド穴を開けていきます。

(※電動ドリルドライバーを使用し、フロントフェンダーの指定位置に慎重にビス用の穴を開けている様子)

(※開けたガイド穴に対して、プラスドライバーを使ってステンレス製の固定ビスを垂直に締め込んでいる様子)

(※合計4箇所のビス留めがすべて完了し、物理的に強固に一体化されたフロントフェンダー全体の様子)
電動ドリルドライバーを使用して樹脂パーツに適切なサイズの穴を開けた後、サビに強いステンレス製のビスを締め込みました。 これにより、両面テープの「面接着」と、ビス留めの「点固定」が組み合わさり、走行中に絶対に外れることのない強固なフロントフェンダーが完成しました。
【工夫】風呂用コーキング剤「バスボンドQ」で隙間を100%密閉!
物理的な固定が完了したら、今回の最も重要な目的である「隙間への砂泥の侵入対策」に入ります。 前回の分解時に、フェンダーとエクステンダーの重なり合う僅かな隙間に大量の砂利や土が溜まっていたため、ここを完全に密閉(シーリング)する必要があります。
隙間を埋めるためのアイテムとして、住宅の水まわり補修でおなじみの防水ケミカルを使用します。

(※今回のシーリングに使用する、コニシ製の風呂・タイル用シリコンコーキング剤『バスボンドQ(ブラック)』)
樹脂パーツの色調に合わせて、目立たない「ブラック(黒色)」のコーキング剤をセレクトしました。シリコン素材は硬化後も適度な柔軟性を保つため、バイクの振動によってひび割れする心配がありません。
美しい仕上がりのためのマスキング養生とコーキング剤の充填
コーキング剤は非常に粘り気があり、はみ出すと周囲を汚してしまうため、事前の準備が仕上がりの美しさを左右します。
1. マスキングテープによる入念な養生作業

(※フロントフェンダーの表面側。パーツが重なり合う境界線の上下に、数ミリの隙間を残してマスキングテープを綺麗に貼っている様子)

(※フロントフェンダーの裏面側。こちらも同様に、コーキング剤を充填するラインに合わせてしっかりとマスキングテープで養生を行っている様子)
写真のように、コーキング剤を塗りたい境界線のギリギリのラインを狙って、マスキングテープで完璧に養生(保護)を施します。このひと手間をかけることで、はみ出た余分なコーキング剤がパーツに付着するのを防ぐことができます。
2. コーキング剤の充填と表面の均し(平滑化)

(※フェンダー裏側の隙間に、チューブから直接黒いコーキング剤を均一に注入した状態)

(※注入したコーキング剤を、指先や専用のヘラを使って隙間の奥まで押し込みながら、表面をなめらかに整えている様子)
養生が終わったら、パーツが重なり合う細い隙間の奥まで届くように、コーキング剤をチューブから直接しっかりと充填します。 その後、コーキング剤が乾き始める前に、指先や付属のヘラを使って適度な圧力をかけながら表面を平らに均(なら)していきます。隙間を完全に塞ぐように押し込むのがコツです。
※このコーキング剤は手につくとなかなか落ちないので、指先を使う場合は手袋着用をおすすめします。
【完成レビュー】隙間のない完璧なフェンダーエクステンダーの仕上がり
コーキング剤が半乾きの状態のうちに、周囲のマスキングテープを慎重に剥がし、完全に硬化するまで乾燥させればすべての作業が完了です。
完成した状態の細部を確認してみましょう。

(※マスキングテープを剥がした後の、フェンダー表面側の接合部。隙間が黒いシリコンで綺麗に埋まっています)

(※フェンダー裏側の重なり合う断面の左右比較。僅かな段差の隙間が、コーキング剤によって完全にフラットに密閉されているのが分かります)
写真をご覧の通り、パーツ同士が重なり合う僅かな段差の隙間が、黒いシリコン被膜によって完全に密閉されました!
断面のクローズアップを見ても、水や砂が侵入できるルートは1ミリも残っていません。
これで、雨の日の走行や泥だらけの未舗装路(林道)を走行しても、フェンダーの内部に砂利が蓄積することは永久にありません。オーナーが気づかないうちにフロントサスペンションの動きを悪くさせてしまう「バネ下荷重の増加」というリスクを、完璧にシャットアウトすることに成功しました。
今回のシーリング&固定作業で使用した必須メンテナンスアイテム3選
今回の確実なDIYカスタムを成功させるために、ガレージに常備しておくべき間違いない必須ツールとケミカルをご紹介します。
1. 完全防水で隙間を密閉する「コニシ ボンド バスボンドQ ブラック 50ml」
写真でも使用した、シリコン素材の高性能な防水シーリング剤です。耐候性・耐振動性に優れており、バイクの樹脂パーツの隙間埋めや、電装品の簡易的な防水処理にも大活躍する定番ケミカルです。
2. 樹脂への正確な穴あけに最適「高儀(TAKAGI)電動ドリルドライバー」
フロントフェンダーなどのプラスチック外装パーツに、割れを発生させることなくきれいにビス穴を開けるための必須工具です。適度なトルク調整ができるモデルがDIYバイクメンテには最適です。
3. 美しい仕上がりを約束する「3M(スリーエム)マスキングテープ 243J 汎用」
今回の作業では、コーキング剤に付属のマスキングテープを使用しましたが、接着強度が弱く、うまくフェンダーに貼り付けることができませんでしたので、信頼の3Mのマスキングテープを紹介します。
まとめ:丁寧な下処理と隙間密閉が、アドベンチャーバイクの優れた走りを維持する秘訣
BMW G650GSのフロントフェンダーエクステンダー修正・完結編をお届けしました。
前オーナーによる「位置のズレ」を直すことから始まった今回の作業ですが、分解して分かった「隙間への砂泥詰まり」という大きな問題を、『3M超強力両面テープでの芯の固定』『4箇所のビス留め物理固定』『風呂用コーキング剤での完全防水密閉』という3重の対策によって、これ以上ない完璧な状態に仕上げることができました。
一見すると、単にフェンダーを延長しただけの小さなカスタムに見えるかもしれません。 しかし、見えない隙間のケアを徹底的に行うことこそが、G650GS本来の軽快でしなやかなフロントサスペンションの動き(バネ下軽量化)を維持し、長期にわたってノートラブルで走り続けるための本当の秘訣です。
皆様もフェンダー延長パーツを取り付ける際は、ぜひ今回のコーキング密閉の手順を参考にして、隙間のない安心の足まわりを作ってみてくださいね!
それでは、最高のバイクライフを!