みなさん、こんにちは。
走行シチュエーションに合わせてバイクの乗り味を変えられる、サスペンションのセッティング調整。 今回は、X-ADVのフロントフォークの「伸び側減衰力(リバウンドダンピング)」の調整に挑戦しました。
調整作業を行うにあたり、私はひとつの確認をしたいと考えていました。 それは、「X-ADVの車載工具の中に、フロントフォークを調整するための専用道具が入っているかどうか」です。
実は、X-ADVのフロントフォーク調整には、バイクの構造上の「ある大きな難所」があります。 そのため、一般的な工具セットでは作業が非常に難しいのです。
実際に車載工具を取り出して作業を行ってみたところ、適合する工具は見つかったものの、まさかの落下アクシデントが発生してしまいました。
今回は、X-ADVのフロントフォーク伸び側調整の具体的な手順と、車載工具を使用した際の注意点、そして安全に作業を行うための対策を詳しく解説します!
スマホで3分ほどで読める内容ですので、ぜひ最後までスクロールしてご覧ください。
なぜ一般的な工具はNG?X-ADVのフロントフォーク調整における構造上の問題
一般的なバイクのフロントフォーク調整(減衰力調整)は、マイナスドライバーを使用してアジャスターを回すのが普通です。
しかし、X-ADVではその方法が使えません。
ハンドルバーが邪魔をする!アジャスター真上の狭いスペース

(※フロントフォーク最上部のアジャスター周辺。すぐ上を太いハンドルバーが通っています)

(※別の角度から見たフォークトップ。ワイヤーやホースも密集しており、非常に狭い空間です)
写真を見ていただければ分かる通り、フロントフォークの真上を、直径の太いテーパーハンドルバーが横切っています。
この構造のために、一般的な長さのマイナスドライバーを垂直に差し込むことができません。 ハンドルバーが完全に干渉してしまうのです。
この問題を解決するため、私は車載工具を確認することにしました。
初めての車載工具!ラゲッジボックスから取り出して中身を確認
アジャスターを回せる薄型の工具があるかどうかを確かめるため、シートを開けて車載工具を取り出します。

(※X-ADVのシートを開けた状態。ラゲッジボックスの奥に車載工具袋が収納されています)

(※地面に並べたX-ADVの車載工具一式。様々なスパナやレンチ類の中に、薄い金属製の板が入っています)
工具袋を開けて中身を広げてみたところ、探していた専用の道具を発見しました!
写真の右側(六角レンチの横)にある、「長方形の形をした、非常に薄い金属製の板(フラットツール)」です。 これを使用すれば、ハンドルバーの下の狭い隙間からでも、アジャスターの溝にアクセスすることが可能です。
ホンダが調整用として、最初から車載工具にこの専用板を同梱してくれていることが分かりました。
【実録レビュー】車載工具で調整に挑戦、そしてまさかの落下アクシデント
さっそく、この薄い金属板を使ってフロントフォークの伸び側調整を始めてみました。
厚みが薄くて持ちにくい?作業中のコントロールの難しさ

(※左側のフォークトップに薄い金属板を差し込み、アジャスターを回そうとしている様子)

(※右側のフォークトップで、指先を使いながら慎重に金属板を保持している様子。調整ネジの位置によって、ツールの向きや角度を変えながらでないと調整ネジを回転させられない)
ハンドルバーとの干渉は避けられましたが、この車載工具は非常に薄い金属の板です。 そのため、指先で保持するのが難しく、力を入れてアジャスターを回すのにはコツが必要でした。
そして、事件は右側のフォークを調整している時に起こりました。
狭い空間でアジャスターの溝に合わせようとした瞬間、工具の金属板を車体の中に落としてしまったのです!
車体の複雑な隙間をすり抜け、幸運にも道路まで落下
工具は、「カシャン、カシャン」という音とともに、カウルや配線が複雑に入り組んだ車体の内部へと落ちていきました。

(※アスファルトの道路上に落ちた車載工具の金属板を、指先で指し示している様子)
今回は本当に運が良く、工具がパーツの隙間をすり抜けて、そのまま道路の上まで完全に落ちてきてくれました。
しかし、もしカウルの隙間やフレームの凹凸、エンジンまわりの複雑な配線の上に引っかかって留まっていたら、カウルを全て分解しないと救出できない可能性がありました。しかもここはツーリング先の路肩ですので、もし途中で引っかかっていて、走行中に落下・紛失する可能性も大いにありました。
非常に肝を冷やしたアクシデントでした。
【今後の対策】X-ADVのサスペンション調整を安全に行うための2つの解決策
今回の経験から、X-ADVのフォーク調整を屋外やガレージで行う際は、以下の2つの対策を事前に行うことを強くおすすめします。
- 対策①:工具に落下防止のひも(ストラップ)を装着する
- 対策②:万が一落下しても、磁力で拾い上げられるマグネットツールを用意する
特に、車体の中に工具が留まってしまった時のために、伸縮式のピックアップツールをガレージに準備しておくと、カウルを外さずに隙間から工具を救出できるため安心です。
まとめ:見えないところまで丁寧な設計!高い買い物だったけれど大満足
ホンダ X-ADVのフロントフォーク伸び側調整と、車載工具のレビューをお届けしました。
一般的なドライバーが使えない狭い構造には驚きましたが、車載工具の中にそれを解決する専用ツールが最初から用意されている点に、ホンダの細かい配慮の行き届いた設計の丁寧さを改めて実感しました。
パーキングブレーキの耐久設計に続き、こうした細かい部分のクオリティの高さが、130万円を超える高い買い物であっても「本当に買ってよかった」とオーナーを心から満足させてくれます。
皆さんもフロントフォークを調整する際は、工具の落下対策をしっかりと行い、安全にセッティングを楽しんでくださいね!
それでは、最高のバイクライフを!