「フロントフォークに点錆が出てしまった…」「オイル漏れが止まらない…」
新品は絶版、あっても高額。そんな時に有力な選択肢になるのが「再メッキ」です。
この記事では、実際に私がインナーチューブを再メッキに出した体験をもとに、気になる費用・納期・仕上がりを詳しくレビューします。
インナーチューブの再メッキとは?新品交換との違い
フロントフォークに点錆を見つけたとき、真っ先に思い浮かぶのは「新品交換」かもしれません。しかし、バイク乗りにとって「再メッキ」は単なる修理以上の価値がある選択肢です。
再メッキとは、古いメッキ層を一度剥離し、研磨して表面を整えた後、再び「硬質クロムメッキ」を施す職人技のプロセスです。では、純正新品に交換する場合と何が違うのか、詳しく見ていきましょう。
再メッキを選ぶ3つのメリット
- 純正品を超える「精度」と「滑らかさ」 意外かもしれませんが、再メッキは純正新品よりも精度が高い場合があります。専門業者の手によって1本ずつ丁寧に研磨・メッキされるため、表面の平滑さや真円度が向上し、「サスペンションの動きが以前よりスムーズになった」と感じるライダーも多いのです。
- 絶版車・旧車でも復活可能 「メーカー在庫なし(廃盤)」と言われて絶望したことはありませんか?再メッキなら、元のインナーチューブに致命的な曲がりや深い傷がなければ、どんなに古い車種でも新品同様に蘇らせることができます。
- 硬質クロムメッキによる高い耐久性 多くの再メッキ業者が採用する「硬質クロムメッキ」は、非常に硬度が高く、耐摩耗性に優れています。きちんとメンテナンスをすれば、純正品と同等、あるいはそれ以上の期間、美しい状態を維持できます。
知っておくべきデメリット
- 手元に戻るまで「納期」がかかる 注文してすぐ届く新品パーツとは異なり、職人の作業工程を挟むため、通常2週間〜1ヶ月程度の納期がかかります。その間はバイクに乗れないため、オフシーズンや車検時を狙うのが賢い選択です。
- 「脱着」の手間とスキルが必要 インナーチューブ単体で業者に送る必要があるため、自分でフォークを分解するか、ショップに脱着を依頼しなければなりません。DIY派には楽しい作業ですが、初心者には少しハードルが高い部分でもあります。
今回依頼したショップと再メッキの工程
今回、私は福岡県の「東洋硬化」さんに依頼をしました。バイク乗りの間では「再メッキといえばここ」と言われるほど有名な老舗です。ここを選んだ決め手は以下の2点です。
硬質クロムメッキの圧倒的な実績: バイクだけでなく産業機械の油圧ロッドなども手掛けており、メッキの硬度と密着性が極めて高いこと。
個人依頼への丁寧な対応: 業者専用ではなく、個人ライダーの1本単位の依頼にも非常に親切に対応してくれるという口コミの多さが決め手になりました。
インナーチューブ発送前の確認
インナーチューブの状態確認
今回再メッキを依頼するのは、HONDAのXR250 BAJAのものです。
再メッキを依頼する前のインナーチューブの状態を載せます。
XRシリーズはフォーク上部にくびれがあり、そこがよく錆びるようです(下の写真を参照)。また、倒立フォークのインナチューブはタイヤに近く、加えてブーツなどで保護されていないので錆びることが多いようです。

インナーチューブの上部にくびれがありヘアライン加工(?)されている部分に錆が発生しています

所々に何かが当たったような深めの傷もあります

錆がメッキを浮き上がらせています

傷から錆が発生している箇所もあります。
インナーチューブは、上記の写真のような状態でした。
再メッキ可能であるかの問い合わせ
これらの写真を東洋硬化さんにメールして「再メッキ可能でしょうか?」と問い合わせたところ、「問題なく作業できます」とのことでしたので作業をお願いしました。
ただし、「くびれ」の部分まで再生するには追加料金が発生します、ともお知らせいただきました。
【公開】再メッキにかかった費用と納期
再メッキの費用(2022年11月時点)
再メッキの費用は、作業内容によって異なるので東洋硬化さんのHPには料金表はなく、費用が知りたければ都度問合せる必要があります。
したがいまして、ここで紹介する費用は、あくまで「参考」としてください
インナーチューブ再メッキ:26,000円/1本
インナーチューブくびれ再生:5,000円/1箇所
インナーチューブは2本あるので、金額は上記の2倍となりました。
また、費用は返送時の送料込みです。支払い方法は代引きのみです。
ただし、代引きの手数料は東洋硬化さんが負担してくださいました。
いざ再メッキへ!インナーチューブの発送
インナーチューブは、プチプチの梱包材(正式名称は「気泡緩衝材」だそうです)が3重になるようにくるんで段ボールで発送しました。
段ボールはちょうどよい大きさのものがなかったので、段ボール内でインナーチューブが転がらないように切り貼りして、インナーチューブにぴったりのサイズにして発送しました。
再メッキにかかった時間
作業依頼を決定し、インナーチューブを発送してから20日ほどで返送されてきました。
東洋硬化さんは福岡にあるので、運送日数に往復4日(2日間✕2)を差し引くと、16日間の作業日数でした。
また、今回はくびれの修正もお願いしたため、くびれのないインナーチューブより作業時間を要した可能性があります。
【ビフォーアフター】仕上がりのクオリティに驚愕
丁寧な梱包と検査表で到着

こちらの箱で到着しました。

インナーチューブは、厚手の白い紙材質のようなシートで丁寧にくるんであり、その上に気泡緩衝材、さらに白い弾力性のあるシートで丁寧に梱包されていました。

そして嬉しかったのが検査表が同梱されていたことです。検査表には、再メッキ前後の状態や曲がりのチェック、出荷前のチェックなどが記載してあり、作業内容に関して安心を感じました。
それでは早速開封です。

重厚な輝きで、深い?濃い?銀色に見えます

ビフォア&アフターの写真です。明らかに美しくなってます!
記憶でしかありませんが、再メッキ前のインナーチューブは少し色褪せていたように思えます。(メッキが色褪せるかどうか分かりませんが。。。)
まとめ|こんな人は再メッキすべき!
インナーチューブの再メッキは、単なる「錆取り」や「修理」の域を超えた、究極のリフレッシュ法です。最後に、私が実際に体験して感じた「再メッキを選ぶべき人」の条件をまとめます。
絶版車・旧車を大切に乗り続けたい人
メーカー在庫が欠品(廃盤)になり、新品が手に入らない車両にとって、再メッキはまさに「救世主」です。元のパーツを再利用するため、オリジナルの状態を維持しながら、機能面だけを新品以上に引き上げることができます。
コスパと品質を両立させたい人
「純正新品は高すぎて手が出ない、でも格安の海外製インナーチューブは精度や耐久性が不安……」そんな方にこそ、再メッキが最適です。純正を買うよりも安く抑えられる可能性もあり、それでいて社外品とは比較にならない「職人品質」の仕上がりが手に入ります。
一生モノの足回りに仕上げたい人
「一度直したら、もう二度と錆びさせたくない」「サスペンションの動きにこだわりたい」というこだわり派のライダーにとって、高硬度の硬質クロムメッキは最高の選択です。プロによる研磨とメッキを施されたフォークは、正に一生モノ。愛車への愛着がさらに深まること間違いありません。
インナーチューブの点錆は、放置しておくとオイル漏れを引き起こし、ブレーキディスクにオイルが付着するなど重大な事故に繋がる恐れもあります。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、早めに再メッキを検討してみてはいかがでしょうか。あの鏡のような輝きと、ヌルヌルと動く至高のサスペンションをぜひ体感してみてください!
インナーチューブを再メッキするためには、フロントフォークを車体から外し、さらにフロントフォークを分解する必要があります。
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