みなさん、こんにちは。
フロントタイヤが巻き上げる泥や小石から、エンジン前方やエキパイを守ってくれる便利なカスタムパーツ、「フロントフェンダーエクステンダー(フェンダーフラップ)」。
特に未舗装路を走る機会のあるアドベンチャーバイクにとっては、必須とも言える定番の装備です。
しかし、このパーツは取り付け方法を一歩間違えると、本来の性能を発揮できないばかりか、バイクの走行性能に思わぬ悪影響を与えるおそれがあります。
先日、私のBMW G650GSのフロントまわりを点検していたところ、前オーナーが取り付けていたエクステンダーが、明らかに左右にズレて歪んで固定されていることに気づきました。
「格好悪いから、一度取り外してきれいに位置を直そう」
そう思い、軽い気持ちで分解してみたのですが、パーツの隙間を見た瞬間に愕然としました。

(※フロントフェンダーとエクステンダーの重なり合う隙間に、大量の砂利や砂泥がびっしりと詰まっている様子)
なんと、パーツ同士の隙間に大量の砂や泥、小石が詰まっていたのです!
今回は、このズレたエクステンダーの修正作業の様子をレポートするとともに、この隙間汚れがもたらす「バネ下荷重(アンダースプラング重量)の増加」という盲点について詳しく解説します。
これからフェンダーエクステンダーを取り付けようと考えている方は、絶対に知っておくべき重要な注意点ですので、ぜひ最後までご覧ください!
【現状確認】前オーナーによるフェンダーエクステンダーのズレと固定状態
まずは、作業前のBMW G650GSのフロントフェンダーのコンディションを確認します。

(※フロントフォークの間に挟まれたフロントフェンダー。黄色の点線で示されたアタッチメント部分が、片側に大きくズレて歪んで取りつけられています)
写真の通り、ノーマルのフロントフェンダーの先端にネジ留め(ビス留め)されたエクステンダーですが、中心線がズレて斜めに取り付けられていました。
これでは防風や防泥の効果が均等に発揮されません。 位置を真っ直ぐに修正するため、フェンダー本体を車体から完全に取り外して作業を行うことにしました。

(※取り外して床に置いたG650GSのフロントフェンダー全体。)

(※フェンダーを右側面から見たカット。フェンダーとアタッチメントの境界線に歪みが生じています)

(※フェンダーを左側面から見たカット。左右の重なり方のバランスが均等ではありません)

(※フェンダーの裏側。前オーナーは、両面テープによる接着に加えて、4箇所のビス留め(ネジ留め)で固定していました)
裏側を確認すると、BMWの純正フェンダーに直接穴を開け、4本のビスで固定されていました。 しかし、両面テープの貼り方が甘かったのか、あるいは位置合わせを失敗したままビスを締め込んでしまったのか、全体が歪んでしまっています。
【分解して愕然】重なり合う隙間に詰まった大量の砂利と泥
位置を正しく修正するため、4本のビスを抜き取り、古い両面テープを剥がして2つのパーツを完全に分離させました。 パーツが離れた瞬間、中から大量の乾いた土と砂利がボロボロと溢れ出てきました。

(※分離したフロントフェンダーとエクステンダー。重なり合っていた部分の表面に、泥が層のようになって固着しています)

(※上記の注釈付き画像。赤い網掛け部分が古い両面テープの跡で、黄色の点線枠のスペースに砂利や砂が大量に堆積しています)
前オーナーは外周部分にのみ細く両面テープを貼っていましたが、上部にはテープのない「空間(隙間)」が存在していました。
フロントタイヤが激しく巻き上げた泥水や細かな砂利が、長い時間をかけてこの隙間へと侵入。 逃げ場を失った砂泥が堆積して層を作っていたのです。
知らないうちにバネ下荷重が増加?隙間詰まりがバイクの走りに与える影響
今回の分解作業を経て、私はある重大な事実に気がつきました。 それは、「オーナーが気づかないうちに、フロントまわりのバネ下荷重が大幅に増加してしまっていた」ということです。
バイクのサスペンションよりも下に位置するパーツ(タイヤ、ホイール、ブレーキキャリパー、フェンダーなど)の重量は、「バネ下荷重(Unsprung weight)」と呼ばれます。
このバネ下荷重は、バイクの運動性能において非常にデリケートな要素です。 一般的に、バネ下荷重が1kg軽量化されることは、サスペンションより上の車体を数kg軽量化することに匹敵すると言われるほど、サスペンションの追従性やハンドリングに直結します。
パーツの隙間に詰まっていた砂利や水分を含んだ泥の重量は、数十グラムから、場合によっては100グラム近くに達していた可能性があります。
「フロントまわりを軽量に保ちたい」と思って軽いプラスチックパーツを選んでいても、取り付けの隙間に泥が蓄積してしまっては本末転倒です。路面のギャップを拾った際のフロントサスペンションのしなやかな動き(追従性)を、知らないうちにスポイルしてしまう大きな盲点と言えます。
【対策と教訓】これからフェンダーエクステンダーを取り付ける方へのアドバイス
堆積していた砂泥をブラシで軽く取り除いた後、きれいに水洗いし、古い両面テープの糊(粘着剤)をパーツクリーナーで完全に除去しました。

(※泥をブラシで軽く落としたあとのフロントフェンダーとフロントフェンダーエクステンダーの裏面)
今回の施工ミスと砂利の蓄積という経験から、これから愛車にフェンダーエクステンダーを取り付けようと考えている方へ、2つの重要なアドバイスがあります。
アドバイス①:全面を強力な両面テープで密閉し、隙間を作らない
パーツの外周や一部にだけ両面テープを貼ると、必ずテープのない隙間から泥水が侵入します。 取り付ける際は、全体に隙間なく高品質な超強力両面テープ(3M製など)を敷き詰め、水や砂がパーツの間に絶対に入り込まない構造を作ることが基本です。
アドバイス②:接合面の端部をシリコンコーキング剤でシーリングする
両面テープで固定した後、パーツが重なり合う境界線(エッジ部分)を、防水用のシリコンコーキング剤(風呂・タイル用などのシーラント)で薄くコーティングして完全に目視密閉することをおすすめします。 これにより、泥水の侵入ルートを100%遮断でき、バネ下荷重の増加を防いで長期間安全に使用することができます。
【物販アフィリエイト】正しいフェンダー取り付けに必要な定番ケミカル&工具
今回の修正作業や、これからの確実な取り付けカスタムにおいて、ガレージに常備しておくべき必須のメンテナンスグッズをご紹介します。Amazonや楽天市場で手軽に入手可能です。
1. 水や砂の侵入を完璧に防ぐ「3M(スリーエム)超強力両面テープ 自動車外装用」
高い耐候性と強力な粘着力を持つアクリルフォーム素材のテープです。隙間なく貼り付けることで、泥水の侵入を強固にブロックします。
2. エッジの隙間を完全に密閉する「コニシ ボンド バスボンドQ ブラック」
シリコン素材で柔軟性があるため、フロントフェンダーが受ける激しい走行振動でもひび割れしません。樹脂の色にマッチする「ブラック」を選ぶのが綺麗に仕上げるコツです。
まとめ:見えない隙間のケアこそが、バイクの優れた走りを維持する秘訣
BMW G650GSのフロントフェンダーエクステンダー修正レポートをお届けしました。
最初は単なる「見た目のズレ」を直すための作業でしたが、分解してみることで、パーツの隙間に砂泥が詰まり、知らないうちにバネ下荷重が増加してサスペンションの動きに悪影響を与えていたという、大きな教訓を得ることができました。
きれいに洗浄し、下地処理(脱脂)を完璧に行った上で、隙間を作らない正しい方法で再固定したことにより、G650GS本来の軽快でしなやかなハンドリングがしっかりと維持できるようになりました。
これからエクステンダーを取り付ける方は、ぜひ今回の事例を参考にして、「隙間を完全に埋める」丁寧な取り付けを行ってくださいね!
それでは、最高のバイクライフを!