みなさん,こんにちはBooです.
今回は,G650GSのピボットシャフトを外したお話しです.
今回もとても苦労しました.1日では作業できず,2日がかりの作業となりました.
まずは,ピボットシャフトを外すために,ソケットの大きさを確認します.
フロントスプロケット側は,21mmのナットです.
リアブレーキ側は,22mmのボルトでした.
また,ピボットシャフトを外すためには,スイングアームが無負荷の状態にしておいたほうが良いと思い,テンションストラットも外しておくことにしました.
テンションストラットを外します.
テンションストラットとディフレクションレバーを連結していたボルトです.
これを外すには,二面幅18mmと19mmの工具が必要となります.
上記作業を行うことで,スイングアームを支えているものがピボットシャフトだけになってしまいます.
スイングアームが下がってしまわないように,台座(10Lのポリタンクがちょうど良い高さでした)の上にスイングアームを乗せておきます.
また,ピボットシャフトを外したときにスイングアームが思わぬ方向に動いても良いように,スイングアームからブレーキホース(ABSセンサーのケーブル)も外しておきます.
スイングアームとブレーキホース(ABSセンサーのケーブル)は,2つのクリップ(写真中の黄色矢印)で繋がっています.
さて,これでようやくピボットシャフトを外す準備が整いましたので,ピボットシャフトを外しにかかります.
...が,錆びて固着しているようで,プラスチックハンマーではビクともしませんでした.
なので,もう少しごついハンマーでピボットシャフトを打撃する作戦に変更!
ピボットレバーに傷を付けたくなかったので,ピボットシャフトにプラスチックハンマーをあてがいながら,ごついハンマーで叩きました.
......が,この方法でもピボットシャフトはビクともしません...
ここで,さらに作業を加えることに.
ピボットシャフトは,ソケットを使えば手でも回転させられるぐらいでしたので,シリコンスプレーを噴きかけてピボットシャフトを回転させました.
ホントは回転させながら,ハンマーで叩きたかったのですが一人で作業しているためそれはできません.
ですので,
1. ピボットシャフトをチェーン側から叩く
↓
2. ピボットシャフトにシリコンスプレーを噴きかける
↓
3. ピボットシャフトを回転させる
(インパクトレンチやインパクトドライバを使うのもアリ)
↓
「1.」に戻る
を繰り返しました.
「3.」にピボットシャフトを回転させる,という作業のところで手作業で回転させるのが面倒になってきたのでインパクトドライバで回転させました.
すると,インパクトドライバを使って回転させた後での打撃でピボットシャフトが抜ける方向に動いてくれました!
ピボットシャフトを打撃で打ち抜くには,ピボットシャフトより細く,そして打撃に耐えられるもので打ち込んでいかなければ成りません.
ここでは細めの鉄筋棒を使いました.
鉄筋棒は表面に凸凹があるため,打撃時に車体を傷つけるかもしれないと思い,気休めですがマスキングテープを巻いておきました.
さて,鉄筋棒を打ち込んでいきます.
打ち込んでは回転させ,打ち込んでは回転させ....
これを繰り返してなんとかピボットシャフトを外すことができました.
打撃の時の金属音が大きかったので近所迷惑な行為だったと思います.
ピボットシャフトを打撃するときは,時間帯などに注意しましょう.
これが外したピボットシャフトです.
詳しく見ていきましょう.
ピボットシャフトの表面は,黒くて非常に粘性の高いものがへばりついていました.
上の写真では,その黒いものがめくれ上がっているのが分かります.
おそらく新車組付け時のグリスかと思われますが,真実は分かりません.
抜いたピボットシャフトをプレクサスで掃除しました.
かなり錆びていることが分かります.
サビのひどい部分の接写です.ちょっとグロいですね....すみません.
シャフトのメッキ?表面処理?がクレーターのようになっており,サビが進行していることが分かります.
真鍮ブラシによるサビおとしと,花咲Gのラストリムーバーによるサビおとしを5回行ってこの状態になりました.
まだサビが残っていますが,これ以上ラストリムーバーを使うとシャフトに悪影響がないかと心配になり,これでサビおとし作業をやめることにしました.
最後に,ワコーズのメタルコンパウンドで磨いたのが上の写真です.
上の写真は,サビが一番深いところまで浸食?していった場所です.深さで1mmぐらいはあるのではないでしょうか.
金属や強度などについては詳しくありませんが,ちょっと心配になる深さです.
いっそのことワンオフでピボットシャフトを作ってもらおうかな.....
このピボットシャフトは,おそらくですが2012年~2024年の間に1回もメンテナンスされていなかったと思われます.
みなさんもこうなる前に,一度ピボットシャフトを外して,グリスアップするなどのメンテナンスをすることをお勧めします.