G650GS メンテナンス

G650GSのフロントブレーキスイッチの交換(準備編)

みなさん,こんにちはBooです.
今日は,G650GSのフロントブレーキスイッチを交換したお話しです.
おそらくF650GS(650cc)もほぼ同じですので参考になれば幸いです.

結論から言うと,かなり大変な作業でした.

作業する前は,「ブレーキスイッチを外して,ケーブルを取り回してコネクタを挿せば終わりだよね」
「ブレーキスイッチを交換したら,フロントのブレーキフルードも交換しよー」,とか思ってましたが,
ブレーキスイッチの交換に1時間半以上かかったため,他の作業は何もできませんでした.

なぜブレーキスイッチを交換することになったのか

理由は,フロントブレーキレバーを握ってもブレーキランプが点灯しない時があるからでした.
車検に合格しないのはもちろんのこと,後続車にも危険ですので交換することにしました.
ちなみに,どこが悪かったかというと,ブレーキスイッチとケーブルの接続部分の接触不良でした.
(接続部を曲げたり押し込んだりするとブレーキランプが点灯しました)

ブレーキスイッチはどんな形をしているか

G650GS(F650GS)では,ブレーキスイッチとケーブル,コネクタがセットになっています.

リペアマニュアル(サービスマニュアル)には交換方法は記載されているが...

交換方法は記載されているのですが,クーラントタンクとオイルタンクをずらすように書かれていました.
こんなに細いケーブルを引くだけなのに,そこまで外さなくてもイイでしょ,と思いながら作業を進めると....
すみません,両方とも外さないとケーブルを通すことができません.
もっと言えば,他の部品も外して作業したいぐらいでした.

作業手順

  1. サイドカバー(両側)を外す
  2. バッテリーを外す
  3. エアクリーナーボックスのノーズを外す
  4. ハンドガードを外す
  5. ブレーキスイッチを外す
  6. 適時,ケーブルを留めているタイラップを切断する
  7. コネクタ類がおさまっている部分のカバーを外す
  8. クーラントリザーブタンクを固定しているネジを外して,リザーブタンクをずらす
  9. オイルタンクを固定しているネジ・クリップを外して,オイルタンクをずらす
  10. 適時,ケーブルを留めているタイラップを切断しながら,ブレーキスイッチケーブルを抜いていく

使った工具

  • ニッパー:タイラップ切断のため
  • 10mmソケット
  • トルクスのビット
  • マイナスドライバ
  • 手袋:狭いところに手を入れるのでケガをしないため
  • 竹串:狭いところにタイラップを取付るので,タイラップを誘導するために使いました.細い針金でも良いかもしれません.

さて,では実際の作業をお示しします.

サイドカバーとバッテリー,エアクリーナーボックスのノーズを事前に外しておきます.

まずはハンドガードを外します.
指で指している部分がハンドガードです.

ハンドガードを外すには,赤丸の日本のボルトを外します.

さらに,ハンドル末端のボルトを外します.

これでハンドガードが外れます.
ハンドガードが外れたら次はブレーキスイッチを外します.

ブレーキスイッチは,ブレーキレバーの支点となるボルトと共締めになっています.
二面幅10mmのナットを外します.

ブレーキスイッチのケーブルを固定しているタイラップ(結束バンド)を切断していきます.
写真のタイラップは,ブレーキスイッチに一番近いものですが,他の場所でも使用されており全部で5~6箇所切断したと思います.

さて,お次はブレーキケーブルのコネクタを探しておきます.
写真で指さしている部分の下に,探しているこねくたがあるのですが,樹脂製のカバーがあるので,まずはカバーを外します.
カバーを外す前に,指で指している金属製の丸い部品も外します.これは上に引き抜けば外れます.

次に,樹脂製のカバーを外します.
これはボルト1本で固定されていますが,ボルトは奥まったところにあります.

ボルトが外れました.
しかし,カバーを引っ張っても何かが引っかかって外れません.

壊れない程度にカバーを引っ張ってみると,部品がカバーにくっついています.

カバーにくっついている部品は,前方にスライドさせれば外れますので,この部品を外してからカバーを完全に外します.

カバーを外したところです.コネクタが所狭しと並んでいます.
黄色の四角で囲んだコネクタが,ブレーキスイッチのコネクタです.

さて,コネクタも見つかりましたので,次の段取りにうつります.

リペアマニュアルの説明にしたがって,ラジエーターリザーバータンクとオイルタンクをずらします.
まずは,リザーバートタンクからです.

リザーバータンクは,上の写真にあるボルト1本で固定されています.

リザーバータンクを固定しているボルトを外しましたが,固くて外れませんでしたので,マイナスドライバで少しずつこじりながら外しました.

こじるときは,マイナスドライバを当てた部分に全ての力がかからないように,空いている手でリザーバータンクを引っ張り出すようにしないと,ステーが折れるかもしれません.

リザーバータンクを引っ張り出したところです.

リザーバータンクとラジエーターは,上の写真の赤丸で示したホースで繋がっています.
ホースの径から考えると,この接合部は非常に細いと思われますので強引な作業は厳禁です!

リザーバータンクは,少し引き出す(バイクの進行方向に向かって左側)だけにしておきます.

次は,オイルタンクをずらします.

オイルタンクは,上の写真のボルト(赤丸)と二箇所のクリップ(黄色丸)で固定されています.
ボルトは緩めるだけで外せますが,オイルタンクとエアクリーナーボックスの間にスペーサーが入っていますので,ボルトを外したらスペーサーが落ちないように注意が必要です.

また,このボルトは,エアクリーナーボックスに埋め込まれた真鍮ナットで固定されているので,締めるときにトルクのかけ過ぎなどに注意が必要です.

オイルタンクを固定しているクリップは,上の写真のように引っ張れば外れます.

クリップとボルトを外せば,オイルタンクは手前(バイクの進行方向に向かって左側)に引き出せば外れます.

さて,これでブレーキスイッチのケーブルを取り回せる準備ができました.

-G650GS, メンテナンス